2013年9月24日(火) 初回放送
語り:中嶋朋子
撮影時期:2013年7月
フランス南西部・カルカソンヌ。その南東に位置するシテは、古代ローマ時代から続く城塞の街です。シテのシンボル、コンタル城を守る全長3000mに及ぶ城壁と52もの塔は、現存するヨーロッパの城塞の中でも最大規模を誇ります。
街歩きは、観光客でにぎわう駅からスタート。下町と呼ばれる新市街から、城のある旧市街シテを目指します。下町の古い城壁の前で出会った夫婦によれば、下町とシテは仲が悪いんだとか…。石橋を渡って川を越え、いよいよシテへ。堅ろうな城門の向こうに、騎士が登場しそうな中世の街が現れます。40年間、城の庭を世話してきたおじさんや、4世代でシテに暮らす家族、そして午後のお茶を楽しむマダムたちはみんな仲良しで、友情を大切にする人たちでした。中世の姿をとどめる街並みの中、友情と絆を大切にする人々の温かさにふれる街歩きです。
シテの入り口、ナルボンヌ門の脇に置かれている女性の石像。その正体は女領主・カルカスです。伝説によれば8世紀、侵略をもくろむカール大帝がカルカソンヌ城塞を攻め、長きにわたり取り囲みました。城塞内の食料が尽きかけたとき、カルカスは、たった1頭だけ残っていた豚を城門から投げ落としました。それを見たカール大帝は、「太った豚を捨てるのだから、十分な食料が残っている」と戦意を喪失し、撤退していきました。カルカスの作戦は大成功。彼女は街中の鐘を鳴らしこの勝利を喜びました。「カルカスが鐘を鳴らす=CARCA SONNE」という言葉が、カルカソンヌの街の名の由来となったといわれています。
街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!
カルカソンヌ女子の“美の秘けつ”となるビューティーメニューを、ミス・カルカソンヌのタマラと、友達のジュリーが紹介します。
フォアグラのオープンサンド
カルカソンヌ周辺はフォアグラの産地。少し厚めにカットしたフォアグラを、エシャロットとザクロのきれいな赤色のジャムを塗ったトーストにのせた、ぜいたくな一品です。タマラとジュリーは、ちょっとカロリーが気になる時には、2人でシェアして食べているのだそうです。
カエルのソテー
食用カエルに小麦粉をつけて、バターでソテーしたもの。パセリ、にんにく、トマト、バターで作ったフレッシュ野菜のソースを添えます。かつて貧しかった時代、カルカソンヌでは栄養源としてカタツムリやカエルがよく食べられていたのだとか。
パンコントマト
南フランスの太陽を浴びて育った新鮮なトマトとガーリックをパンに塗り、オリーブオイルを垂らしてできる簡単なトースト。アクセントにはアンチョビを少々。トマトの酸味がポイントです。
街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!
カルカソンヌから車で1時間半。地中海沿いの街・コリウールにちょっと“より道”してみましょう。太陽の光に恵まれ、色彩にあふれるコリウールは多くの画家たちを魅了し、マティスやドラン、ピカソなどが数々の絵を書き残した絶景の街です。
コリウールの街を彩るのは、地中海の青に映えるカラフルな家々。出会った街の人に自宅の色を尋ねても、オレンジ、黄色、ピンク、卵色と、とってもカラフルな答えが返ってきます。なんと、家の外壁には船を塗った残りのペンキが使われているんだとか。
街なかの絶景スポットにはマティスの家の窓枠と同じ枠が置かれています。枠の中を覗きこんでみれば…。心のキャンバスに残るような絶景に、きっと出会えることでしょう。