これまでの街歩き

ジローナ/ スペイン

2013年10月29日(火) 初回放送

語り:余 貴美子

撮影時期:2013年8月

世界地図

地図

場所

 スペイン北部にあるカタルーニャは4県から成る自治州です。この州の東に位置するジローナは県都で、人口は約9万7000。旧市街はオニャール川の東側にあります。
 紀元前、ローマ人によって築かれたジローナは、イスラム教徒の侵攻、フランク王国の統治などで戦略上の要地となってきた街です。4世紀には、国を追われたユダヤ人が数世紀にわたって街を栄えさせた時代もありました。バルセロナを中心とした諸伯領が結束し、フランク王国からの分離を始めたのが9世紀のころ。そして986年に独立を果たし、カタルーニャの起源となりました。イベリア半島とヨーロッパを結ぶ交易地として、多くの商人たちが行き交い、発展してきたのです。

Information

ジローナの伝説

 2000年の歴史を誇るジローナには、さまざまな時代に生み出された伝説が数多く残されています。街の教会に現存する古い椅子には、子孫繁栄の教えが伝説として伝えられています。その椅子に男女が一緒に座れば1年以内に結婚できるそうなのですが、もしウッカリ1人で座ってしまうと、一生独身のままなんだそう。
 また、今もジローナの若者たちがたびたび助けを求めるという古いアーチに伝わる伝説もあります。そのアーチの一角にいる奇妙な吸血鬼の像が、恋をかなえてくれるというロマンチックなお話です。ジローナの人々にとって、伝説とは時に人生の教訓であり、街の歴史を知る教科書のような役割があるそうです。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 オススメのグルメを選んでくれたのは、大の仲良しという小学生のお二人。食いしん坊のクラウディアちゃんと、しっかり者のオルガちゃんです。

ソフトクリーム

第1位は、果物や野菜の果汁がたっぷり加えられたソフトクリームです。このソフトクリーム、一味違うのは、仕上げに綿菓子がのせられるところ。これが地元の子どもたちには大人気なんです。10種類以上もあるメニューを自由にアレンジできるので、その日の気分でいろいろな味が楽しめるんですよ。

シュショ

ジローナで生まれたというシュショ。揚げたパンに砂糖を振りかけ、中にクリームを入れたもので、いわばドーナツに似たお菓子です。中味はカスタードクリームとホイップクリームの2種類。手のひらサイズで食べやすいため、食べ歩きにちょうど良いのだとか。

ミニ・ハンバーガー

直径5cmほどの小さなハンバーガーの3点セット。ほどよい量が人気です。ジローナでは大人も子どもも、ちょっと小腹がすいた時、お店に立ち寄るのが一般的なんだそう。小さいながらも味付けはしっかりしていて、具はそれぞれチーズ&オニオンに、レタス&トマト、ベーコン&ハンバーグにはウズラの卵がトッピングされています。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

カダケス

 今回訪ねるのは、ジローナからバスで1時間半ほどの距離にある地中海沿いの避暑地、カダケス。実はここ、あの鬼才といわれた芸術家、サルバドール・ダリが長年暮らしていた街なんです。ポルト・リガト地区にあるダリの家が現在も博物館として残されていると聞き、訪ねてみることにしました。道中、街で出会った人に声をかけてみると、本物のダリを知っている人たちの多いこと!没後20年以上を経た今でも、懐かしげに思い出を語る様子を見ていると、いかにダリが街の人たちに愛されていたかが分かります。ダリの家には、黄色い花や白熊の剥製、大きな卵といったものがあふれていました。それはすべて「永遠に生きる」という意味を持つものなのだとか。ダリの意外な一面にふれたような気がしました。

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