これまでの街歩き

カターニア/ イタリア

2015年4月7日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2015年1月

世界地図

地図

場所

 イタリア・シチリア島東部に位置するカターニアは、パレルモに次ぐ、シチリア島第2の都市です。古代ギリシャの時代から地中海の要衝として発展してきた港町で、世界遺産の旧市街は、そのバロック様式の美しさで世界中の旅人を魅了してきました。
 地中海沿いの港町だけあって、魚介類が豊富に食べられるほか、街の名物は馬肉料理。馬肉料理のレストランがいたるところに立ち並んでいます。また、流行を敏感に取り入れていることから「南イタリアのミラノ」と呼ばれることもあるほか、作曲家のベッリーニを始めとする著名な人々を排出してきたことでも知られています。
 陽気なイタリア人のなかでもシチリアの人々は、初めて訪れた観光客ともすぐ親しくなってしまうほどとてもフレンドリーなことで知られており、そんな温かさにひかれて何度も訪れる人もいるほどです。

Information

逆境に負けない カターニアの歴史

 ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山は、街に幾度も災害をもたらしてきました。なかでも1669年の噴火と1693年の大地震で、カターニアの街は一時壊滅。しかし人々は逆境に屈せず、メインストリートから街の復興を始め、さらに、街を襲った溶岩を様々な製品にして輸出し、火山灰の土壌ではワインのブドウを作るなど、工夫を重ねました。
 そんなカターニア人気質の背景にあるのは、守護聖人アガタ。ローマ帝国の総督から愛人になるよう迫られた申し出をかたくなに拒み、乳房を切り取られる拷問を受けながらも意志を曲げなかったアガタの精神が、カターニアの人々を奮い立たせました。カターニアの人々にとって、エトナ山と守護聖人アガタは、街に恩恵をもたらす大切なものとして、人々に守られ続けているのです。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 紹介してくれるのは、タクシードライバーのジュゼッペさん。伝統食や若者に人気の流行グルメなどが入り混じった、カターニアならではの食べ歩きグルメをご賞味あれ!

ミネ・ディ・サンタアガタ

名前は「アガタ聖人の胸」という意味。街の守護聖人アガタが拷問された時に切り落とされた、乳房をイメージしたケーキです。中にはリコッタチーズとピスタッチオのクリームが絶妙なハーモニーで入っており、「カターニアの味」として、カターニアのカフェなどで長年愛され続けているスイーツです。

ビステッカ・ディ・カバッロ

カターニアで人気の「馬肉料理」。昔からカターニアでは馬肉を食べる文化があり、このビステッカ・ディ・カバッロはシチリアの伝統食として親しまれています。人気を博しているのは、ヒレ肉のステーキやハンバーグ。どちらも肉汁たっぷりでジューシーな味!老若男女から幅広く好まれています。

アランチーニ

ファストフード店で大人気の「アランチーニ」。ライスボールをあげたシチリアの名物です。なかでも人気なのは、トマトソースに肉とチーズがたっぷり入ったもの。ほかにも、野菜や豆など、店によってさまざまな具があり、味ももちろん違います。時間のない若者やタクシードライバーに好まれています。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ピアッツァ・アルメリーナで、世界遺産のモザイクアートを探訪!
語り:つぶやきシロー

 今回はカターニアから西に100km、バスで1時間半の「ピアッツァ・アルメリーナ」へ向かいます。そこには世界遺産に登録される古代ローマの建物があり、3世紀ごろ作られたモザイクアートが見られるのだそう。バスの中で乗客に話を聞くと「そこにはビキニ美女がいますよ」と教えてくれました。ビキニ美女?と疑問を持ちつつも、建物に到着。
 ここはローマ時代の大邸宅で、有力者や政治家の住居だったのだとか。中に入ると、床一面にモザイクアートが!しかもそれが50もの部屋に広がっていました!聞いてみると、これらはローマ時代の日常が描かれているのだそう。そして、恐る恐るガイドの女性に「ビキニ美女」について聞いてみると、案内されたのはビキニを着た女性たちのモザイクアート。一説によると、彼女たちはこの家の主の愛人で、愛人同士で競い合っていた様子を表している、と教えてくれました。1700年も前のモザイクアートを見ることができた、貴重な体験でした。

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