これまでの街歩き

ライデン/ オランダ

2015年6月9日(火) 初回放送

語り:鈴木 杏

撮影時期:2015年3月

世界地図

地図

場所

 ライデンはアムステルダムの南西約40㎞、旧ライン川と新ライン川が合流する地点に築かれた街です。17世紀以前の美しい街並みが残る街の中心部は、かつて城壁の外堀だったという運河にぐるっと囲まれています。オランダ最古のライデン大学があり、国立古代博物館、国立民族学博物館、ライデン大学附属植物園、シーボルトハウスなど、数々の博物館がある文化あふれる街でもあります。
 17世紀を代表する画家レンブラントはこの街で風車小屋を持ち製粉業を営む家庭に生まれ、26歳まで生活していました。その頃のライデンは織物産業が盛んで、アムステルダムに次ぐオランダ第2の街として栄えていました。現在のライデンは大学の街としてはもちろん、空港から電車で16分という交通の便とその歴史的遺産を活かした観光の街としても注目を集めています。

Information

ライデン大学と街の歴史

 オランダ最古の国立大学、ライデン大学創立のきっかけはスペインからの独立戦争でした。1574年スペイン軍はライデンの包囲を開始、このため補給路が断たれたライデン市民たちに飢餓や伝染病がまん延し、多くの犠牲者が出たのです。しかしライデン市民たちはこの苦しみに耐え、決して降伏しませんでした。そして同じ年の10月3日、オランダ艦隊がライデンに到着。スペイン軍は退却し、これがオランダ独立への足がかりとなったと伝えられています。
 初代オランダ総督となったウィルム1世により、ご褒美として与えられたのがライデン大学でした。今でも10月3日はライデンの祝日となっていて、皆で解放当時の食事であるニシンとパンでお祝いするそうです。(写真は街の要塞)

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 今回はライデン大学で学ぶグルメな女子、ロッテさんとウルラさんがとっておきのランチスポットをご紹介。おすすめのメニューを教えてもらいます。

学食の野菜クロケット

コロッケの元祖とも呼ばれる「クロケット」はオランダでは自動販売機で売られるほどなじみの深い料理です。ライデン大学学食の野菜クロケットはパプリカ、マッシュルーム、にんじん、ほうれん草など9種類の野菜がとろとろのクリームに入っています。この学食はどなたでも利用できるので、人気のクロケットは早いもの勝ちかも!?

パンネクッケン

オランダ風のパンケーキですが、中でもライデンのパンネクッケンは大きさと薄さが特徴です。リンゴや粉砂糖の他、ハムやチーズ、野菜などを乗せてバリエーションを楽しむことができます。うまく焼き上げるためにシェフは2年も修行しないといけないそうですよ!

戦争フライドポテト

ちょっとコワい名前のこのポテト、かけるソースが名前の由来。 この店の「戦争」味はピーナッツバターのソースとマヨネーズ、カレー味のケチャップをたっぷりとかけ、その上にタマネギのみじん切りをトッピングしたもの。ソースを混ぜて、口の中で"おいしさの戦い"を楽しむ一品です。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

キューケンホフ公園
語り:つぶやきシロー

 今回はライデンから車で30分、およそ700万株の球根植物が咲き乱れるチューリップの花園「キューケンホフ公園」に向かいます。キューケンホフ公園は1年のうちたった2ヶ月間(3月末〜5月末)しか開園していない、特別な公園です。
 15世紀、この場所がヤコバ伯爵夫人のハーブを育てる庭だったことから「キューケン(=台所)ホフ(=庭)」と呼ばれるようになったと言われています。現在のような公園となったのは1949年のこと。球根業者や周辺の農家が開催した花の品評会が始まりで、今では世界中から観光客を集める世界最大級の花の祭典となったのです。
 オランダでは17世紀に「チューリップ・バブル」と呼ばれる世界初のバブル経済事件が起きました。オスマン・トルコから輸入されたチューリップの球根が投資の対象となり、値段がどんどんつり上がって屋敷よりも高価で売買される事態となったのです。当時高値で取引されたしま模様のチューリップ(後に球根の病気と判明)の絵が、公園内のパビリオンに展示されています。やがて球根の価格は暴落し、世界初のバブル経済事件として語り継がれることになったのです。
 現在のチューリップは、オランダに春の到来を告げる花として愛されています。

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