これまでの街歩き

クアラルンプール/ マレーシア

2015年11月10日(火) 初回放送

語り:小倉久寛

撮影時期:2015年8月

世界地図

地図

場所

 クアラルンプールは中国人移民によって、スズの採掘拠点として19世紀半ばに開発されたのが街の始まりです。中国人移民たちはクラン川とゴンバック川の合流点に落ちつき、そこをクアラルンプール、すなわち「泥(lumpur)が合流する場所(kuala)」と呼びました。
 1957年8月31日マレーシアがイギリスから独立し、クアラルンプールは首都となりました。現在はASEANの主要都市の1つとして、発展を続けています。
 この街には、さまざまな民族が共存しています。中国人が人口の約4割、インド人が約1割、残りの大部分をマレー人が占めるほか、バングラディシュ、ネパール、インドネシアなどからの出稼ぎ労働者が、クアラルンプールの人々の生活や経済活動を支える多民族社会です。

Information

三民族の憩いの場所

 旅行雑誌編集者のナジブさんが紹介してくれるのは、「三民族の憩いの場」。さまざまな文化が共存する街には、それぞれの民族にとって大事な場所があります。
 マレー系の人々が通うのはモスク。お祈り以外にも読書をしたり、おしゃべりしたり、皆が自由に過ごす場です。インド系の人々が心のより所とするのはヒンドゥー教寺院。ずらりと並んだ彫刻は、1体1体表情豊か。ここでは毎日お祈りの時間に地元の人々が集まります。経済の中心を担う中国系の人々は、関帝廟(びょう)を大切にしています。祭っているのは、もちろん商売の神様。
 そして三民族が集う市民劇場では、19世紀、クアラルンプール誕生の物語を描いたミュージカルを上演しています。中国人、インド人、マレー人の青年が、協力して街を造り上げていく様子を通して歴史を楽しく伝えています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 インド、中国、マレー、3つの文化が共存するクアラルンプール。それぞれの豊かな食を味わうことが出来ます。
 案内してくれるのは、仲良し女子大生・ソフィアさんとディナさん。2人が授業やアルバイトの合間に通う、お気に入りの店を楽しく紹介してくれました。

マサ・レマッ

スパイシーなマレー料理。すりおろした玉ねぎや、ココナツミルク、4種類のスパイスを入れた鍋に、生の魚をまるごと入れちゃいます。さらに唐辛子とトマトを入れて煮込めば、出来上がり。たっぷり使ったココナツミルクとスパイスがぴりっと効いて、ご飯によく合います。マレー料理らしく、手で頂くとより味わい深いそうです!

釀豆腐(ヨンドウフ)

温かいスープの中に具材が盛られた様子は、さながら中華風おでん!野菜、卵、豆腐などを鶏がらスープでさっと煮てから取り出し、好みのスープをかけてもらって頂きます。具材やスープは自分で選べるので、バリエーションも豊富。棚にずらりと並んだ具材の中には、日本では見慣れない、はんぺんつきのナスやオクラも!

ロティ・テッシュ

円すい形のユーモラスなパンは、インド系の朝ごはん「ロティ・テッシュ」。その名の通り、ティッシュペーパーのように薄い生地をパリパリに焼いたもの。てっぺんから少しずつちぎりとり、コンデンスミルクに漬けながら食べると、口の中にほんのり甘味が広がります。セットの飲み物は、ミルクティーが定番。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

野生ゾウの保護施設 クアラガンダー
語り:篠原ともえ

 クアラルンプールからゾウの保護施設があるクアラガンダーまでは、タクシーで向かいます。アブラヤシのプランテーションを横目に、ドライブを続けること2時間。豊かな森の中から、「ぱおー!」元気な鳴き声が聞こえてきます。
 ここは野生のアジアゾウを保護する傍ら、観光スポットとしても開放されている施設。サトウキビを手渡しで食べさせたり、水浴びを手伝ったり、ゾウと思いっきり触れ合えるのが魅力で、国内外から観光客が訪れます。
 実はここにいるのは、人間に捕獲されてしまった野生のアジアゾウ。プランテーションの拡大で住処を失ったゾウたちが、アブラヤシ農園や村に入り込んでしまいます。ワナにかかり大けがをするゾウも少なくありません。人々と触れ合いながら徐々に傷を癒し、森へ帰るための準備をしているんだとか。
 マレーシアのアブラヤシ農園でとれるパームオイルは、日本もたくさん輸入しています。観光を通して、自分の生活を見直すことも有意義ですね。

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