これまでの街歩き

クアラルンプール/ マレーシア

2015年11月10日(火) 初回放送

語り:小倉久寛

撮影時期:2015年8月

街の「マレー系市場」

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 マレー系の人たちの居住区に、青い屋根の市場がありました。スイカやメロン、リンゴなど日本でもなじみの果物の並ぶ横にはマンゴー、パイナップルなど南国らしいフルーツ、さらにその隣には見たことのない大きなさやに入った豆を売っていました。八百屋の元気のいい売り子の女性に聞くと「プタイ豆」。マレー系の人と友達になると、お近づきの印にココナツミルクや唐辛子を使って料理してくれるのだとか。ちなみにインド系、中国系の人たちは、辛いソースやエビペーストを付け、ご飯と一緒にいただくそうです。
 野菜だけでなく、さまざまなハーブや香辛料まで、食材の豊富な活気あふれる市場です。

街の「女性たちのおしゃれ」

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 金のアクセサリーやスカーフや衣類の店が並ぶ繁華街の広場で、インド系の女性たちが椅子に座り、お客と向き合っていました。よく見るとお客の女性の手の甲に、エスニックな花模様を器用に描いています。
 聞くと「ヘナ」という植物から作った染料で描くインド由来の伝統のおしゃれで、模様は1週間ほど消えずに楽しめるのだそうです。本来は結婚式に花嫁が身を飾るときに描いたそうですが、最近ではもっと日常的に楽しむようになってきているのだとか。お客のマレー人女性は「リラックスしたい」「仕事のストレスも吹っ飛ぶの」と話してくれました。
 どこの国の文化でも、気に入ればどんどん取り入れて楽しむ女性たち。こんな所にも、互いの文化を楽しみながら取り入れるクアラルンプールっ子の良さを感じることが出来ますね。

街の「陳さんの霊廟(れいびょう)」

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 チャイナタウンの外れに、赤いちょうちんを門の両側につるした大きな建物がありました。入ってみると、歴史のあるお寺のよう。しかし中には「陳氏始祖」と書かれた横に、何枚もの写真が飾ってありました。
 お茶を飲んでくつろいでいた人たちに聞くと、ここは19世紀に中国から移民してきた陳さん一族の子孫が代々祭られた霊廟なのだとか。初代がマレーシアに来てスズの採掘を始めたころは、クアラルンプールはまだジャングルで、気候の違いや重労働から多くの人が命を落としたのだと話してくれました。80歳になる3代目の女性は、初代の祖父の写真を大切そうに見せてくれました。中国から移民した人たちは一族の固いきずなを守ることで苦労を乗り越え、この地に根付いてきたのです。

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