これまでの街歩き

宝石の街
ベルガモ/ イタリア

2016年5月31日(火) 初回放送

語り:段田安則

撮影時期:2016年3月

世界地図

地図

場所

 ベルガモはイタリア・ロンバルディア州中部、2500m級の山々が連なるオロビエアルプス山脈の麓に広がる、人口約12万の都市です。
 15世紀にベネチア共和国の領土となると、シルクロードによって運ばれてきた交易品をヨーロッパ中へと運ぶ際のアルプス越えの重要な拠点として繁栄しました。この交易によりもたらされたばく大な富は、ベルガモ独自の建築物や文化財を数多く生み出しました。これらのほとんどは丘の上、旧市街のアルタに残され、当時とほぼ変わらない姿を今も見ることができます。
 丘の下、新市街のバッサは商業地区であり、アルタとは対照的にスマートで近代的な建物が立ち並んでいます。ベルガモはイタリア国内の主要工業都市のひとつであり、住民の平均所得も高く、落ち着いた雰囲気の街です。

Information

アルプスの見える街「ベルガモ」 アルプスとの密接な関係

 ベルガモは、アルプスと非常に密接な関係を持ち続けてきた街でした。それを象徴するエピソードが2つあります。
 ベルガモの経済的な繁栄は、ベネチア共和国の支配下にあった時代の通商ルートの重要な拠点だったことでもたらされたというところにありました。ベネチアはアジアから持ち帰った交易品をアルプスを越えてヨーロッパ中に運び利益を得ていましたが、このアルプス越えの拠点となったのがベルガモでした。そして、この交易はばく大な富を街にもたらしたのです。
 また、イタリア軍の特殊部隊アルピーニも、ベルガモに深い関係があります。アルピーニとは、山岳地帯の戦闘を受け持つイタリア軍の特殊部隊の人たちのことで、登山技術にたけたベルガモの住民たちが数多く所属していました。第一次世界大戦ではオーストリア・ハンガリー帝国とのアルプスでの戦いを勝利に導き、一躍、国の英雄となったのです。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 今回紹介してくれるのは、ベルガモ料理のレストランでウェイトレスとして働くパウラ・ボナルミーさん。かわいい衣装はお店の制服で、ベルガモ伝統の民族衣装だそう。
 食べ歩きが趣味だという彼女に、この街ならではのおすすめの料理を紹介してもらいました。

カソンチェッリ

ベルガモで最も有名な伝統料理がカソンチェッリ。豚肉、サラミ、野菜、ハーブなど豊富な種類の具材を炒めてミンチにしたら、小分けにしてパスタの生地に乗せて包みます。そのままゆでて、炒めたベーコンを乗せたら完成!形は中国料理のギョウザにそっくりです。肉汁たっぷり!ジューシーで味わい深い一品です。

ポレンタ・エ・オセイ

3位のポレンタに似せて作った、ベルガモ発祥のスイーツ。チョコレートクリームを挟んだスポンジケーキに、アーモンドをペースト。トウモロコシの色にそっくりな黄色い砂糖をまぶした生地をかぶせて、鳥をかたどったチョコレートを上に乗せたら出来上がり!チョコレートの鳥は、かつてポレンタに鳥が乗せられていた時代の名残なんです!

ポレンタ

ベルガモの伝統料理・ポレンタはトウモロコシのおかゆ。アルプスの麓にあるベルガモは寒冷で小麦が育ちにくく、かつてはトウモロコシが主食でした。現在も家庭料理として一般的に食べられています。作り方はいたってシンプル。トウモロコシの粉をオリーブオイルを加えながら煮詰め、溶かしたチーズをかけ、サラミを乗せたら完成です!

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

アルプスと湖の絶景 コモ湖
語り:三倉茉奈

 今回は、アルプスと湖が同時に見られる絶景を求めて、ベルガモから車で約1時間半の人気リゾート地、コモ湖へ。コモ湖のほとり、コモの街から遊覧船に乗り、絶景スポットを探します。
 遊覧船の陽気な船員さんから「コモ湖の風景は芸術品だよ!」と教えてもらって期待感は最高潮です。湖のほとりにある別荘や貴族の別荘を改装したホテル、コモ湖唯一の島「コマチーナ島」を観光しつつ、終着点のべッラージョに到着。べッラージョは「コモ湖の真珠」とも呼ばれる風光明美な場所です。
 到着後、絶景を求めてさまよっていたところ、地元の漁師さんおすすめの山の中の絶景スポットに連れて行ってもらえることに!
 車で約20分、知る人ぞ知る秘密の展望台へ向かうとそこには・・・。雪をかぶった山々と、湖、そして、べッラージョの美しい街並みが!まさに絶景!アルプスと湖の絶景を堪能できた旅になりました。

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