これまでの街歩き

ルネサンス薫る街
フェラーラ/ イタリア

2016年6月28日(火) 初回放送

語り:中嶋朋子

撮影時期:2016年3月

世界地図

地図

場所

 フィレンツェから車で2時間ほどの「フェラーラ」はイタリア北部、国内最大の川「ポー川」下流に位置します。街の基礎は7世紀に築かれたといわれ、13世紀から16世紀にかけてフェラーラを治めたエステ家は15世紀に街を2倍、城壁を周囲9kmに拡大。小さな町に過ぎなかったフェラーラは、その後、ルネサンスを先駆ける街に発展しました。
 現在、12世紀に建設された大聖堂や16世紀に完成したエステ城などの歴史的建造物が並ぶ旧市街地と、赤レンガと高さをそろえた建造物が並び統一感のある新市街地があります。1995年には世界文化遺産に登録され、知る人ぞ知る観光スポットになっています。

Information

エステ家と華麗なるルネサンス文化

 15世紀当時、街を支配していたエステ家は街を拡張し、さらには文化の発展にも惜しみなく投資を行いました。
 その象徴が、エステ家の別荘・スキファノイア宮殿にあります。広い壁いっぱいに見事なフレスコ画がに描かれた「12か月の間」。壁面を縦に12分割して、それぞれの月が、さらに横に3分割して、上と下の段にはそれぞれ「神の世界」と「人間の世界」が描かれています。さらに、手前のものを大きく、奥のものを小さく描く、当時では新しい表現法「線遠近法」が用いられています。
 エステ家は食文化にも革命をもたらしました。エステ家に仕えた料理人メッシスブーゴは、前菜で始まりデザートで終わる現在のコース料理の原型を初めて考案したと言われています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

趣味はランニング!スポーツ万能でフェラーラの歴史にも詳しいバレンティーナさんに、地元で人気のグルメを教えていただきます。

カッペラッチ

「カッペラッチ」とは帽子の意味。農夫がかぶっていた帽子に由来しています。まずはパスタの生地をつくり、フェラーラ名産のカボチャをペーストにしたものを包みます。それを熱湯でゆでたら出来上がり。カボチャがクリーミー!油こくないヘルシーフードです。

パスティッチョ

エステ家の時代に生まれたといわれる料理。サクッとしたパイ生地の中は、マカロニとひき肉をホワイトソースで仕上げて焼き上げたグラタン入り。ティータイムに紅茶と一緒にいただくのが大人の楽しみ方。

サラマ・ダ・スーゴ

エステ家の宴会で提供されていたと伝えられるサラミ。ひき肉と一緒に赤ワインをぜいたくに使用します。それを腸詰めにして温度11℃、湿度80%の部屋で半年間 熟成。うま味が凝縮された極上のサラミ。お酒のあてにもおすすめの一品。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

バイオリンの名器 ストラディヴァリウスが響く街 クレモナ
語り:つぶやきシロー

 フェラーラから車で2時間程のクレモナ。街には130ものバイオリン工房があり、その高い製作技術は世界遺産に登録されています。
 なかでも世界的に有名なバイオリンの名器「ストラディヴァリウス」が生まれた地。旧市街の中心「コムーネ広場」には、ストラディヴァリウスを製造したストラディヴァリの銅像があります。ストラディヴァリこの街で工房を構えて作った600艇が現存しています。価格は1億円から3億円は下らないんだとか。
 容易には手に入らないストラディヴァリウスが3艇保管されているのが「ストラディヴァリ博物館」。それぞれ、「若く才能あるバイオリニストに弾いてほしい」と寄付されたもので、定期的に演奏会が開かれています。美しい名器の調べにうっとりできる『より道』です。

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