これまでの街歩き

南部の誇り
チャールストン/ アメリカ

2016年11月15日(火) 初回放送

語り:渡辺篤史

撮影時期:2016年8月

世界地図

地図

場所

 チャールストンは大西洋沿岸、サウスカロライナ州南東部に位置する湾岸の街です。夏は暑くて湿度が高く、冬も暖かい温暖湿潤な気候で、街のいたるところにヤシの木が見られます。
 大西洋岸の半島にある東西3kmの中心街のほとんどが「歴史地区」に指定、5000もの歴史的建物が残っています。高層ビルがない代わりに、あちこちで教会の美しさを目にすることができます。
 チャールストンにやってきた移民たちが、さまざまな宗派の教会を建てたことから、別名「聖なる都市」とも呼ばれています。

Information

チャールストンの歴史

 1670年につくられたイギリスの植民都市で、植民地は英国王チャールズ2世に敬意を表し、「チャールズタウン」と名付けられました。ヨーロッパからの移民も増え、南部最大の貿易港として発展。貿易で財を成した富豪たちが街の実権を握り、街は繁栄を極めました。
 しかし、一方で悲惨な歴史も生み出しています。アフリカの人々が船でアメリカへ運ばれ、奴隷として売買されたのです。彼らは米や綿花、タバコなど、プランテーション農業にかかせない労働力として、街の繁栄を下支えしていました。
 そんななか1861年に南北戦争が勃発。奴隷解放を唱える北軍と、反対する南部諸州が対立しチャールストン含む南軍が敗退。この敗戦をさかいに、街は衰退し発展から取り残されましたが、そのおかげで古い街並みは当時のまま残っています。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 アメリカ南部料理は、もともと移民や奴隷たちの間で受け継がれたものです。素朴でおいしいメニューが多く、家庭で作りやすいのも特徴です。南部の肝っ玉母さんこと、ロビンさんが豪快な笑いとともにチャールストンの地元の味を紹介します!

ピーチコブラ

南部料理を代表するスイーツ、ピーチコブラ。もともとはドイツ移民のスイーツでした。溶かしたバターの上に生地を流し込み、どっさりと新鮮な桃をのせてオーブンで焼くだけで完成!バニラアイスクリームを乗せて食べると、桃の甘酸っぱさとアイスクリームの甘さが絶妙にマッチして、おもわず頬がほころぶ一皿です。

フロッグモアシチュー

トウモロコシとソーセージを、塩味とスパイスの効いたスープでゆでるだけ。さらに新鮮なエビを加えひとゆでしたら、スープは捨ててしまいます。食べ方もシンプルで、新聞紙の上にばらまいて手で食べます。後片付けも簡単!食べかすを新聞紙に巻き込んで、一気にゴミ箱へ。食器も必要ないので、大勢で食卓を囲むときにはもってこいの料理です。

フライドチキン

アメリカ南部はフライドチキンの本場。どの家庭でも作られる人気の献立です。新鮮な鶏肉にスパイスをなじませて揚げます。あらかじめ蒸したり下ゆでしない方がおいしく仕上げるポイントです。カリッと揚がった外側とジューシーな内側。やみつきになる一品です。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

南北戦争 開戦地 サムター要塞
語り:篠原ともえ

 チャールストンの沖にある、アメリカ人にとって特別な場所を訪ねます!
 目指すのは、沖合1キロにあるサムター要塞。チャールストンの街を守る目的で造られた人工島です。アメリカを2つに引き裂いた大事件、「南北戦争」の最初の戦いがあった場所で、アメリカ人にとって、大事な歴史がつまっています。
 港から船で30分とあっという間に到着です。レンガと石で造られた頑丈そうな建物。しかし中に入ると…壁には穴が開き、崩れてボロボロの状態。砲弾がレンガに食い込んでいる場所もあり、戦いの激しさを物語っていました。
 お客さんが集まる場所へ行ってみると…、お客さんたちの手で大きな星条旗を広げ、「忠誠の誓い」の暗唱とともに高く掲げている様子を見ることができました。人々は国が二つに割れた内戦の開戦地に星条旗を揚げることで、国家への忠誠を誓う。アメリカ人が、国への思いを新たにする島でした。

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