これまでの街歩き

ヘルシンキ/ フィンランド

2009年10月15日(木) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2009年8月

街の「消防署」

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北欧デザインの家具や照明が並ぶお店をウインドウショッピングした後、坂道を上っていくと、丘のてっぺんに歴史を感じさせるレンガ造りの立派な塔が建っていました。しばらく眺めていると、大きなドアが開き、中から消防自動車が出てきました!消防隊員の方たちの、朝の点検が始まりました。
話を聞いてみるとこの建物は、消防署として1887年に建てられたものだということです。丘の上にあるので、ヘルシンキの街を遠くまで見ることが出来るし、昔は消防に馬車を使っていたので、火事があったときに丘から駆け下りやすかったそうです。塔自体は、現在、隊員たちが階段をかけ上がったりかけ下りたりして訓練に使っているということでした。

街の「じゅうたんの洗い場」

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ヘルシンキの南の端、海沿いを歩いていると、桟橋のようなものを発見。近づいてみると、女性たちがじゅうたんを洗っていました。洗い場に下りてみると、少し揺れます。どうやら海に浮かんでいるようです。彼女たちは、夏の間だけ、それでももう60年もここでじゅうたんを洗っているといいます。どうして海で洗うのかと尋ねてみると、海水で洗うと色落ちしないとのことで、今は、環境に優しい洗剤を使っているのよ、と教えてくれました。
洗い終わったじゅうたんは、海ですすいだ後、近くに備え付けられた巨大な手動の脱水機にかけます。ローラーの間にじゅうたんを挟んできっちり水分を絞り、これも備え付けの干し台に掛けて一晩乾かすそうです。
「明日取りに来るのよ、覚えていたらね」「雨が降ったら明後日ね」。女性たちは、楽しそうに話してくれました。

街の「公衆サウナ」

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夕方、下町の一角に、裸で道路に腰掛ける集団がいました。公衆サウナに入った後、外で涼んでいる人たちです。お客さんたちは「ここのサウナは薪(まき)で暖めるサウナで、ヘルシンキで一番の場所だ」と自慢してくれました。フィンランドの人たちは、赤ちゃんのころからサウナに入るのだそうです。一人の男性客が「初めて入ったサウナもここで、生まれて3か月だった」と言えば、女性客は「私の赤ちゃんは生後3週間だったわ」と話してくれました。
彼らは一年中サウナに入るそうで、冬は、雪の上に寝そべってごろごろしながら涼むのが気持ちいいと言います。
こうした公衆サウナは、ヘルシンキでも少なくなっているそうですが、「時間にせかされることがなく、笑顔が絶えないこの場所が好きだ」とみんな話してくれました。

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