これまでの街歩き

イタリアとっておきⅣ
ローマ バチカンから東へ/ イタリア

2011年1月30日(日) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2010年11月

街の「ナボーナ広場」

Photo

ローマを代表する広場のひとつ「ナボーナ広場」で生っ粋のローマっ子のおじいさん、3人組と出会いました。開店前のカフェのテーブルで、わが物顔で話し込む3人…。聞けば、「他のカフェが開くのを待っている」のだそうです。「ここらでコーヒーを飲むと高いからな」と、なんとも正直な告白です。
「おれは82年も通っている」
「お前がそんなに通うと広場の品格が落ちる」
40年来の友人の彼らは、毎日のようにこの広場でおしゃべりをしています。そして散歩に出かけて、また広場に戻ってきて…。
「ナボーナ広場には一度入ったら、もう一度来たくなる不思議な魅力があるんだ」
子どものころは、裸で噴水に入り、水浴びしたこともあるのだとか…。
古代ローマ時代、ここは3万人を収容できる巨大な競技場でした。その後、市場ができ、教会が建てられ、徐々に現在の姿になっていきました。
広場ひとつとってもそんな歴史が…さすが2500年以上の歴史を持つ街ですね。

街の「何でも屋さん」

Photo

モンティ地区の入口で見つけた「何でも屋さん」には、倉庫かと見間違うくらい多種多様なものが雑多に置かれています。置かれているのは、木のミニチュア、古い携帯電話、DVD、ハーモニカ、ランプ、目覚まし時計…と、一貫性はなさそうです。モンティ生まれモンティ育ちの77歳のご主人がコレクションしたものや自分で作ったものなどを売っています。しかし、ご主人が立っているのは台所…。お店の一角には台所もありました。そこへやってきたのは、お隣に住んでいるという青年。親子以上に年の離れた友人なのだそうです。青年は「ここは今からレストランになるんだ」とワインを持ってきていました。ご主人が作った子羊の料理やムール貝のパスタと一緒に店の机を囲みます。青年は「おいしいし、タダだし、おじさんの話も面白いしね」と絶賛しつつも、「まあ、彼女ができればここには来ないけどね」ですって。おじさんは「早く彼女作れよ」と応酬。お互い強がり言ってますね。親子ほど年の離れた2人がお店でランチ。まさに庶民的なモンティ地区ならではの光景です。食事の邪魔をしないように、ゆっくりお店をあとにしました。

街の「ツタ」

Photo

モンティ地区にはツタがたくさん。通りの壁や軒先など、いたるところで見ることができます。なかでも、ひときわ目を引くのが全体がツタに覆われ、緑にくるまれている感じのお肉屋さん。モンティ地区の北側にあるお店です。ご主人に話を聞くと、「30年以上前、親父の友人がアマゾン土産に買ってきた苗を植えたら、勝手にこんな風になっちまった。アマゾンってのはすごいな」とのこと。確かに店のわきを見ると、壁と石畳の隙間から太い幹が生えていました。
「このツタを欲しいって、大勢が持っていったよ。モンティのツタはここが発祥だな」1本の苗が街中に広がっていったんですね。しかも、ツタには“夢をつかむ”というこの地区ならではの、げん担ぎがあるそうです。石壁にしがみついて諦めずに生きているツタを見ながら、自分の夢をつかむというわけですね。ツタの姿を見て、自分も頑張ろうって思う、ロマンティックな“モンティ”の人たちに出会いました。

※NHKサイトを離れます
ページトップ