これまでの街歩き

ルッカ/ イタリア

2011年7月13日(水) 初回放送

語り:桂文珍

撮影時期:2011年5月

街の「自転車修理屋さん」

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古い建物が身を寄せ合うように並ぶ細い路地を歩いていくと「こっち、こっち」となにやら声が。自転車修理工場を営むおじいさんに呼び止められました。中を見せてもらうと、きちんと整頓された工具や作業台などがあり、どれも年季が入っていい感じです。
創業は1904年。おじいさんの父親が始めたとのこと。坂道の少ないルッカでは、市民の足といえば自転車です。繁盛していますか?と聞くと、「ルッカではお尻のスペアが必要だよ。ブブブブブブブンっていう道だからね。15分走ったらみんなお尻の修理に来るぞ」となんともユーモラスなお答えが。高低差はなくても石畳の道を走るのはなかなか大変なようです。
休憩を終え、おじいさんは仕事を再開。天井から伸びる金具に自転車をぶら下げて修理をするのだそうです。油まみれのおじいさんの手。何年も何年もその手でルッカの自転車を直してきたのでしょうね。

街の「中世門」

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旧市街の東よりの地区。水路沿いを歩いていると、大きな門が見えてきました。ここは中世のころに築かれた城壁があった場所。今でもその一部が残っています。
門の丸い塔の窓には花が飾ってあり、どうやら人が住んでいるようです。声をかけてみると、おじさんが「こんにちは!」と返事をしてくれました。塔が丸いから、家の中も丸いの?と聞くと、中は普通の家と変わらないのだそうです。「夜は静かで最高だよ。時代をさかのぼったみたいだ」と教えてくれました。塔からは旧市街をぐるっと囲むルネサンス期の城壁も、よく見えるそうです。でも、城壁に囲まれてなんだか窮屈じゃないですか?と聞くと、「とんでもない」とのこと。「一度城壁の上を1周してみれば、囚人みたいな暮らしじゃないことが分かるよ」、とおちゃめなおじさん。昔、セルキオ川があふれた時には城壁が街を守ったのだそうです。「城壁が頑丈だから、洪水もへっちゃらさ」と胸を張って教えてくれました。

街の「老人クラブ」

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午後の静かな時間。誰もいない通りの先に、“頭に木が生えた”塔を発見しました。それを目指して歩いていると、にぎやかな音楽が…。建物の前に年配の男女が集まって、ダンスを踊っていました。今日は老人クラブのメンバーの誕生日パーティーなのだそう。建物の中をのぞいてみると、お年寄りの方々がサンバやタンゴなどを次々に踊っていて、さらににぎやか!ルッカのお年寄りは、いつもこんな感じで集まっているのだとか。誰の誕生日パーティーなんですか?と聞いてみても、みなさん聞こえていない様子。
外にいるお年寄りに、ルッカのすてきな場所はどこですか?と聞いてみると、みなさんしゃべるしゃべる…。それだけすてきな場所がたくさんあるということなんでしょうね。近くにある木の生えた塔について聞くと、「グイニージの塔よ」との答えが。塔のてっぺんに木が生えている理由は、「涼しくなるように植えた」ということでした。

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