これまでの街歩き

バルセロナ・新市街/ スペイン

2013年1月8日(火) 初回放送

語り:貫地谷しほり

撮影時期:2012年11月

街の「市場の女性」

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 サグラダ・ファミリアを出発すると、やがて鉄とガラスで造られた建物を見つけました。ここは、ラ・コンセプシオ市場。1888年に作られた市場で、建物はモデルニスモ建築です。中に入ってみると、青果店など、たくさんのお店が軒を連ねています。キノコのパックを両手に持ち、店先に座っている女性と出会いました。「このキノコ、お肉と食べると最高においしいのよ」と売り込む女性。次から次へとキノコの宣伝をしてきます。店員さんかと思いきや、実は買い物に来ていたお客さんでした。その後も女性の勢いは止まらず、とてもパワフル!「毎日、ジョギングしているのよ。見て!」と市場を全力で駆け抜けます。見ていた店員さんは「毎日、あんな感じなの」と少々あきれ気味。この女性の元気な姿が、市場を活気づける源になっているようでした。

街の「飛行機専門店」

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 午後、“シエスタ”で閉店するお店が多い中、この時間でも開いている、ちょっと変わったお店に立ち寄りました。店内には、飛行機の関連グッズがたくさん!店員さんに話を聞くと、「地下にはボーイングもあるよ。乗っていくかい?」と誘われ、一緒に階段を下りてみると、そこには機長の格好をした男性が…。「彼がシミュレーターの機長だ」と紹介され、やっと意味が分かりました。ここは本物のコックピットでシミュレーションできるお店だったのです。さっそく機長の後ろで飛行体験。離陸してしばらくすると、「まもなくサグラダ・ファミリア」とのアナウンスがあり、飛行機がサグラダ・ファミリアのすぐ横をすり抜けていきます。普段はなかなかできない貴重な飛行機のシミュレーターを体験しました。

街の「タイルアーティスト」

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 午後4時。石造りの建物が続く路地を歩いていると扉の開いているお店を発見。中に入ると、机の上にたくさんの花模様のタイルが。アトリエにいた女性が「タイルを割って接着剤でくっつけて、作品を完成させていくの」と教えてくれました。建築の展示会に出展するものや、家の玄関の装飾にするものなど、多種多様の作品があるそうで、ガウディが世に広めた“トレンカディス”という技法を使うのだとか。
 ガウディの話になったとたん、女性の目の色が変わりました。18歳の時に初めてグエル公園に行き、ガウディの建築物に心を奪われたのだそうです。「ガウディは創造の自由を私に与えてくれたの」と熱っぽく語る女性の表情は、まるでガウディに恋しているようでした。

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