これまでの街歩き

シンガポール/ シンガポール

2013年4月16日(火) 初回放送

語り:榊原郁恵

撮影時期:2013年2月

街の「プラナカンの雑貨屋さん」

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 街を歩いてすぐ目に留まったのが、カラフルな雑貨がショーウインドーに並ぶ古いお店。店主の女性に話を聞くと、ここは“プラナカン”と呼ばれる人々が利用するお店なのだとか。プラナカンとは、かつて中国からやって来た商人がこの地域の女性と結婚し、そのまま定住した人たちのことを言うそうです。経済的に裕福だったプラナカンは贅(ぜい)を尽くした生活を送り、中国とマレー双方の影響を受けた独自の文化を築きました。繊細で華やかな伝統衣装や、ビーズの刺しゅうで覆われた色鮮やかな履物などの日常品にも、華麗な色使いや牡丹(ぼたん)、鳳凰(ほうおう)などの派手な図柄を好んだそうです。また、シンガポールを代表する街並みのひとつ “ショップハウス”と呼ばれるパステルカラーの建物もプラナカンの文化です。

街の「インド人街のヘナ」

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 移住してきたインド人が集まる街で、歩道に椅子とテーブルを並べて2人の女性が何かをしています。のぞいてみると、片方がもう一人の女性の腕に不思議な紋様を描いています。これは、インドで古くから行われている植物染料のペイントなんだとか。昔は結婚する新婦に施していましたが、現代のシンガポールでは普段のオシャレとして流行しています。
 染料に使われるヘナは、インドや北アフリカに自生する高さ3~6mの植物。葉を乾燥させて粉末にし、水で溶いたものを染料にします。染料の中の赤色系の色素がたんぱく質に染み付くため、皮膚に紋様を描いてふき取った後、紋様が10日ほど残るのだそうです。
 紋様を描いてもらっている女性はこれから知人の結婚式に出かけ、披露パーティーできれいなヘナの紋様を自慢するのだそうです。

街の「オーチャード通りの大道芸人」

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 街一番のメインストリート、オーチャード通りで、不思議なおじいさんに遭遇。首と体に大きな数珠を巻きつけ、ぐるぐると回しています。このおじいさんは大道芸人で、「あなたもすばらしい一日が過ごせるよ」が口癖。子どもと7人の孫を育て上げ、定年を迎えた後、趣味で大道芸を始めたのだとか。仏教の僧が持つ数珠を大きくして体で回したらおもしろい芸になるだろうと思いつき、10年前に始めたのだそうです。いつもにこやかで、元気に高笑いするおじいさん。きっとこの笑顔でも、道行く人をなごやかな気分にさせているんですね。

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