これまでの街歩き

ベルリン プレンツラウアーベルク界わい/ ドイツ

2013年7月16日(火) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2013年4月

街の「壁」

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 街を歩いていると、足を大きく広げて並んでいる子どもたちに遭遇。足元を見ると、ベルリンの壁の跡をまたいで記念写真を撮っていました。今だからこそできるポーズに、昔を知る引率の先生も大喜び。1989年までこの街を東西に分けていた壁は、今ではもう大部分が取り壊されています。残った壁の一部は、世界中のアーティストたちがイラストを描き、「イーストサイドギャラリー」と呼ばれています。作品の数は、なんと100以上!1つ1つ見て楽しんでいると、壁に描かれている車と同じ、“トラバント”という車に乗っているおじさんに出会いました。旧東ベルリン時代からの自慢の愛車で、いつもみんなに見せびらかしているのだとか。車体はとてもきれいで、思い出とともに大切に扱ってきたことが分かります。ベルリンを訪れた時は、ぜひイーストサイドギャラリーにも行ってみてください!

街の「住宅街」

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 繁華街を抜けると、緑と公園の多い閑静な住宅街、プレンツラウアーベルクに入ります。ここは今、ハリウッドスターも邸宅を構えるベルリンで最も旬な地区です。東西統一前は貧民街として知られていましたが、その廃墟に学生やアーティストたちが集まり、徐々におしゃれな地域になっていったのだとか。今では学生たちも親になり、街に子どもたちの笑い声があふれています。
 街路樹に目を向けると、不思議な木を発見。若いお父さんが、「本の木だよ」と教えてくれました。“本の木”は街のアーティストの作品で、木の中には本棚が!この街の人なら誰でも本の貸し借りができ、受付も記録帳もいらない図書館のようになっています。マナーの良い人々が暮らす、ステキな地域なんですね。

街の「ママ」

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 カラフルな住宅街を歩いていると、列になって歩く集団を発見。誘われるがまま付いていくと、ご近所さんたちが中庭に集まっていました。これからみんなで中庭に花を植える“春の儀式”を始めるんだとか。
 子どもから大人まで一緒になって作業する中、一番張り切っていたのが“キーツママ”と呼ばれる女性。キーツママとは、プレンツラウアーベルク独特の習慣です。地区で生まれた一番頼りになる女性のことをキーツママと呼ぶようになったのだとか。街のみんなを「放っておけないの」と温かく見守るキーツママ。母親の相談に乗ったり、親に代わって子どもをしかったり…、これまでに何人も街の子どもたちのお世話をしてきたのだそうです。

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