これまでの街歩き

コインブラ/ ポルトガル

2014年3月4日(火) 初回放送

語り:高橋克実

撮影時期:2013年11月

街の「井戸端会議をするおばさん」

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 石畳のきれいな路地を抜けると、どこからか大きな声が聞こえてきました。話し声の正体は、おばさん二人組。教会の前の階段に、座布団を敷いて座っていました。座布団を敷いている理由は「地面が冷たいから」なのだそう。どうやら、こうして座り込んで話をするのが、お二人の趣味のようです。
 とても響く大きな声で道行く人々に話しかけているお二人は、学生さんともよく話をするのだとか。そんなお二人に男性の好みを聞くと、「金持ちのじいさん」とのこと。「夜通し、金を使いまくってやるわ」とちょっぴり悪い顔をしながら話してくれました。強烈なキャラクターに圧倒されながらも、コインブラの地元っ子とのおしゃべりを楽しみました。

街の「学生寮」

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 住宅街を歩いていると、壁やベランダに、ギターやキーボードなど、いろいろな物がぶら下がった建物を発見しました。不思議に思って眺めていると、お家の方がちょうど帰宅。物がぶら下がっている理由をたずねると、この建物は大学の学生寮で、使わなくなった物を外に飾るのが昔からの伝統だと教えてくれました。
 この寮では男子学生が4人で暮らし、掃除や料理を分担しながら生活をしているそうです。料理のうまい・下手はあるけれど、「新しい家族ができたみたいで楽しい」という仲良しな4人。気さくなご近所さんが親代わりだそうで、「コインブラは“もうひとつの故郷”なんだ」とうれしそうに話してくれました。

街の「写真屋さん」

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 午後、坂道を歩いていると、あるお店に古い写真がたくさん飾られているのを発見しました。写真はどうやら昔のコインブラを写したもののようです。気になって店主のおじいさんに話を聞くと、その写真はなんと、おじいさんが13歳の時から60年間撮影してきた写真なのだそうです。広場を走る蒸気機関車や電車などが写っていて、今とはずいぶん違う街並みがそこにはありました。
 時代と共に少しずつ変化してきたコインブラですが、おじいさんいわく、おせっかい焼きが集まる温かい場所なのは昔も今も変わらないのだとか。そんなおじいさんの家にはブラジルからの留学生が下宿していました。やっぱりおじいさんも、おせっかい焼きの一員のようです。

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