2014年4月1日(火) 初回放送
語り:中嶋朋子
撮影時期:2014年2月
バス通りから降りて旧市街の中心部へ向かうと「トレビの泉」に出ました。
観光客が沢山いるとおもいきや、人はまばら、しかも泉の近くには立ち入り禁止になっているではありませんか!
ここで出会ったのは、コインの回収を行う専門の清掃屋さんです。手作りだという専用の掃除機で、泉に投げられたコインを吸い取っていて、1年間のコインの総額は1億5000万円にものぼります。それはローマ市から慈善団体へ寄付されているんだって。
清掃屋さんいわく「吸い取られるのはコインだけじゃないんだ。一番おどろいたのは入れ歯」ですって!トレビの泉をちょっと違う視点で楽しむなら、朝がねらい目かも!?
テベレ川を越えて路地を歩いていたら、バイオリンが書かれた看板を発見。中をのぞくと店先に座る一人のおじさん。何気ない風景に一回通りすぎそうになるけど、なんと!肩に大きな猫が乗っていました。
驚いておじさんに話を聞くと、子猫の時から、ずっと肩に乗っているんですって!楽器修理の仕事で木材を切る時も乗ったままでぐらつかないんだとか。「固い絆で結ばれている」なんて猫への愛を語るおじさんは実は物知り。ここが「トラステベレ」という地区で名前の由来と歴史を教えてくれました。
おじさんは大きな猫を乗せたままファゴットという楽器まで演奏してくれましたよ。でも大きな猫を乗せていたせいか、ちょっと演奏を間違っちゃうことも・・・。
トラステベレの路地を東へ歩いていると、何やらにぎやかな声が聞こえてきました。たくさんの子どもたちがビスケット屋さんのショーケースにはりついて見ていたんです。
子どもたちに誘われて一緒に店内へ入ると、その店は親子4代に渡って営む、街で大人気のビスケット屋さん。100年以上前に祖父母がここに店を構えたんだって。代々この店を取り仕切るのは女性で、いまもお母さんが実権を握っているんだとか。お客さんの女の子のお人形に、ビスケットを食べさせてあげるなんて優しい一面も。子どもたちのお目当ても、おいしいビスケットだけじゃなく、お母さんとおままごとしたかったのかもね。