これまでの街歩き

カプリ島/ イタリア

2014年9月30日(火) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2014年7月

街の「歌うレモンジュース屋さん」

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 眺めのいいカプリ島の丘から路地をぬけ、歩いていると、のびやかな歌声が響いてきます。
 「♪なんて素晴らしいことでしょう 太陽がかがやく一日よ」とカプリ島にぴったりな歌を披露しているのは、島名産のレモンを使った、屋台のジュース屋さんの女性。なんでもお客さんが彼女の歌につられてやってくるのだとか。注文すると歌いながら特製ジュースをしぼってくれます。でもジュース作りより歌に夢中で、できあがるのはちょっと遅め。お客さんを楽しませてくれる素敵なジュース屋さんでした。

街の「年金受給者ベンチ!?」

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 岩壁の上にある集落アナカプリ。その街の中心、教会のある広場では、陶板で彩られたベンチでおじさんたちがくつろいでいました。89歳で通称「カプリの主」と呼ばれるおじさんを中心に、仲良しの友人たちが並んでいます。いつもここに集まる長年の友達ばかり。ベンチでは右から年齢順に座っているんだ、と冗談を飛ばします。
 とても小さい街だから、いつも広場に行きかう人々を眺めながら、世間話をしているのだそう。「一つの家族の悲しみは、街のみんなの悲しみ。喜びもみんなのものよ」と教えてくれました。カプリ島では人とのつながりを大事にしているから、みんな生き生きと過ごしているのでしょうね。

街の「夕日を楽しむ若者たち」

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 夕暮れ時。島のはずれの海辺まで歩いていくと、海が見えるバーに集う若い人たちに出会いました。彼らは食事の前の一杯を楽しみながら日が沈むのを待っているとのこと。時間ができたときは、よく集まるそうで、「カプリ島で一番素敵なところさ」「日没が一番遅いところなの」と口々にこの海辺の魅力を教えてくれます。
 いよいよ日没の瞬間。「お疲れさま!」と太陽にねぎらいの言葉と拍手を送り、「夕日に乾杯!」と、感動を分かち合います。同じ夕日は二度と見られないんだ、と教えてくれました。日によって雲の形などが違う夕日を見ながら、友達と過ごす時間を大切にしているんですね。

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