2015年2月24日(火) 初回放送
語り:田畑智子
撮影時期:2014年12月
街のシンボル、旧税関を目指して歩いていると、道に座って絵を描いている画家の青年と出会いました。リヨン出身の彼は4ヶ月前からコルマールに滞在し、コルマールの素敵な町並みを描いているんだとか。
この街は色彩が豊かで面白いという彼が描いた絵を見せてもらうと、それは連続写真のように通り全体を描いている作品でした。すると近くのお店の店主がやってきました。「これが自分の店なんだ」と絵に描かれた自分の店を指差しながらうれしそうに話してくれました。
画家の青年は「あと2週間ほどしたらコルマールを離れて別の街を描くんだ。春にはまた戻ってくるけどね」と教えてくれました。
昼下がりの街をぶらぶらしていると、ホットワインを飲んでいる3人組と出会いました。お話をすると、その中の1人は女優だと教えてくれました。彼女はアルザス語で演じる劇団に所属しており、この後、同じ劇団の女優兼演出家と打ち合わせをするとか。
ついていってみると、そこにはかわいらしいおばあちゃんがいました。打ち合わせが終わると、アルザス語のお芝居を目の前で見せてくれました。アルザス語でお芝居を始めたきっかけを尋ねると「ドイツに占領されていた頃、公用語になっていたドイツ語に対抗するためにアルザス語で演劇を始めたの」と教えてくれました。
コルマールの人びとが悲しみを乗り越え、アルザスの精神を忘れずに強く生きていることを感じました。
夕暮れのコルマールを歩いていると、壊れたイスを持っているおじさんを発見。おじさんは奥の建物の中へ消えていきました。お話を聞いてみたいけど、どうしていいか分からず困っているとおじさんの奥さんがやってきて工房を見せてくれることになりました。
中へ案内してもらうとおじさんとおじさんの弟がいました。兄弟でアンティークの家具を専門に修理しているんだとか。「冬が寒いアルザス地方では家で過ごすことが多いから、みんな立派な家具を持っていてね。そういった家具を代々受け継ぐ伝統があるんだ」と教えてくれました。
アルザスの伝統を守る素敵なお仕事をしている兄弟、奥さんも旦那さんの仕事を誇りに思ってる感じ。素敵な夫婦と家族との出会いでした。