これまでの街歩き

サントリーニ島/ ギリシャ

2015年7月21日(火) 初回放送

語り:キムラ緑子

撮影時期:2015年4月

街の「ロバ親子」

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 港から長い坂を登り、フィラの中心地区から崖沿いの迷路のような道をぶらぶら。すると、前から男性二人、かわいい顔をしたロバ二頭を連れて歩いています。港にクルーザーが入ってきたので、お客さんを迎えに行く途中のようです。
 何代にも渡ってロバ使いを続けている親子で、サントリーニとロバの歴史を話してくれました。いまやサントリーニ観光の目玉でもあるロバたち、昔から島での生活に欠かせない存在でした。農地を耕したり、荷物を運んだりとたくさん仕事があったので、船と同じくらい重宝されていたのだそうです。
 ロバ使いの人たちは、いまでもその時代のことを忘れず、島の伝統としてロバを大切にしているんですね。

街の「編み物をするおばあちゃん」

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 昼下がり。住宅街を歩いていると、楽しそうな話し声が聞こえてきます。家の玄関前で編み物をするおばあちゃん3人、なにやらご近所のうわさ話に花が咲いているようです。
 聞けば3人は40年来の友達で、ずっとサントリーニに暮らしてきたそう。畑仕事に明け暮れていた昔と違い、ホテルやレストランが建って観光客が増えた今のサントリーニも好きだと言います。「外国の人とも交流できて、新しいつながりも増えたわ」、「閉鎖的なのはよくないわね」と口々に言い合います。
 たくましくて、おおらかなサントリーニの女性たち。島に多くの人が訪れるのも、魅力的なサントリーニの人たちがいるからなのでしょうね。

街の「木工細工やさん」

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 午後、買い物客でにぎわうフィラの中心地。お店前で一人静かにたたずむおじいさんがいます。コーヒーを飲みながら、かつて営んでいた自分の店でゆっくりしていたところだそうです。
 もう閉店してしまったのにそこにいるわけをきくと、なかを案内してくれました。カラフルな人形や木工細工が飾られていて、まるでおもちゃ屋さんのよう。「昔はここで家具を作っていたんだ」「観光客が増えてからはお土産を作って売ってね」と仕事していた当時、お土産作りに熱心に打ち込んでいたことを話してくれました。工具や、お土産のモービルが並ぶこの仕事場は、おじいさんにとって人生が詰まった場所でした。
 サントリーニでの暮らしを愛し、仕事への誇りを感じる出会いでした。

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