これまでの街歩き

かわいい陶器の街
シチリア島 カルタジローネ/ イタリア

2016年4月26日(火) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2016年2月

街の「植木鉢」

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 大通りを歩いていると、美しい女性と、ひげをはやした男性の頭の形をした、ペアの植木鉢を発見。
 中庭の奥にあるすてきな陶器店の店主がこの鉢の逸話を教えてくれました。シチリアがアラブ人に支配されていた時代、シチリアの美しい女性とアラブ人の男性が恋に落ち、愛し合うようになりました。しかし彼は既婚者で、国の家族の元に帰ることになってしまいました。
 出発前夜、彼女は眠っている男性の頭を切り落とし、植木鉢にしてバルコニーに飾りました。毎朝彼女が流した涙で植物が大きく育ったのだとか。ちょっと怖い話ですが、切ない女心ですね。

街の「オイルランプ」

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 路地を歩いていると、猫用のはしごがある家を発見!猫ちゃんいないかな、と近づくと、その家の倉庫で、一家がなにやら作業中。おとうさんのルッソさんと双子の娘さんが、段ボール一杯の紙を折り続けているではありませんか。
 紙は、ランプのシェードで、その数4千個!実はこれ、毎年7月に開かれる聖ジャコモ祭で使うオイルランプ。142段の大階段にランプを並べ、光で聖人の姿を描くイベントは、世界的に有名です。ルッソさんたちは、そのランプを1860年に教会から指名されて以来、代々一族だけで作っているのだとか。
 祭の何か月も前から地道に準備をしなければなりませんが、大階段にいっせいにランプが灯る光景を見ると、感動で日々の疲れも吹き飛ぶのだそうです。

街の「にらめっこ」

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 夕方、街の外れでなにやら組み体操のような遊びに興じる青年たちに出会いました。聞けばこの遊び、「3つの頭」というカルタジローネ版にらめっこ。「選手」が「馬役」の上を飛び越えて、馬役の足にしがみつきます。馬役は腰を振ったり冗談を言ったりして、選手を笑わせます。笑って歯を見せたら負けで、選手交代、というわけ。なんともダイナミックなにらめっこです。
 夜の広場で再会すると「選手」も「馬」も増えて、にらめっこがバージョンアップしていました! 青年たちは「3つの頭」をおじいさんに教えてもらったそう。自分の子どもたちにも教えるんだ、と、誇らしげでした。

※NHKサイトを離れます
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