これまでの街歩き

パイオニアの街
シアトル/ アメリカ

2017年10月24日(火) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2017年8月

街の「空飛ぶ魚屋さん」

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 全米最古の歴史を持つ市場。観光スポットとしても人気です。市場に入ったとたん、威勢のいい掛け声とともに人だかりが・・・。中には写真を撮っている人も。皆さんのお目当ては、従業員さんどうしが魚を投げあう“空飛ぶ魚屋さん”でした。魚を投げ合う理由を尋ねたところ、店頭でお客さんを待たせずに店の奥に値段を確認できるから、さらに、エンターテイメントになるからとのこと。確かに“魚が飛び交う”パフォーマンスは多くのお客さんをひきつけているようです。
 従業員さんの1人は、8歳のころから25年以上、この魚屋さんで働いていること、また、店のオーナーは日系アメリカ人で、自分は父親のように慕っていると、笑顔で教えてくれました。

街の「花電柱」

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 坂が続く閑静な住宅街を歩いていると、なにやらトントントン・・・という音が。近づいてみると、おばさんが昔ながらの木でできている電柱に、トンカチで造花を打ちつけていました。なんでも、自身のアート活動のひとつで、仕事を引退し自分が幸せに感じることをやっている、とのこと。近辺の電柱に12本くらいすでに花で飾っていてるそう。
 この“花電柱”、近所の人にも喜ばれていて、作業中に「きれいに飾ってくれて、ありがとう」と声をかけられたり、通りがかった警察官から「あなたが幸せと感じることを続けてください」と言われたりしたこともあるのだとか。
 自由な発想を否定せず、むしろ楽しんで受け入れる、シアトルの姿がありました。

街の「斜面に広がる愛の庭園」

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 急な階段を降りて行ったところ、斜面に、さまざまな花が咲き誇る一角が広がっていました。作業をしていた男性に声をかけると、ここは45年続く庭園で、自分の父親と母親が一緒に作り上げて20年前に市に寄付したことを教えてくれました。そして、庭園の目の前に暮らす両親の家に案内をしてもらうことに・・・。なんと家そのものも、1960年代に父親が自ら設計して建てたものだとか。
 笑顔が耐えない“おしどり夫婦”のなれ初めは、なんと、この庭園作り。父親のこだわりで世界各地の植物が植えられているこの庭園、今は息子さんに引き継がれながらも、今も一家で楽しんでいるそう。
 2000種類もの植物が育つ庭園は、現在、市民の憩いの場。訪れる人は年間7000人にのぼるそうです。

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