これまでの街歩き

マヤの伝統息づく
アンティグア/ グアテマラ

2018年3月27日(火) 初回放送

語り:田畑智子

撮影時期:2017年12月

街の「カラフルろうそく屋」

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 アンティグアにはマヤの伝統が数多く残されています。市場で出会った「ロウソク屋」もその1つ。
 店先に並ぶ色とりどりのロウソクは、マヤの時代から儀式で使われてきたもので、色によってその意味が違うのだそう。黒は嫉妬除け、赤は恋愛、緑は商売、青は学びごと、紫は誘惑除けなど、願い事によってその色のロウソクを燃やすんだとか。たとえばお酒をやめたい時には、紫のロウソクで酒の誘惑除けができるといいます。
 店の女性が「特別なものよ」と見せてくれたのは、嫉妬で陰口を言う人を黙らせる黒の「口閉ざし」や、浮気男が戻ってくる赤の「私に来て」など。効果の程を尋ねると「信じれば叶う。大切なのはひたむきに信じることよ」と教えてくれました。マヤの伝統が現在も暮らしの中に脈々と生きていると感じました。

街の「マリンバ猛特訓」

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 街角で聞こえた心地よい音に誘われて、マリンバ演奏の練習をする先生と生徒に出会いました。
マリンバもマヤの時代から引き継がれてきたものだそうで、昔のマリンバは鍵盤下部の共鳴管に細長いヒョウタンを使い、一人で6本のスティックを使って演奏していたとのこと。
先生が実際に6本使って演奏をしてくれましたが、深く美しい音色でした。
 生徒たちにマリンバを始めた理由を聞くと「家族や親戚がマリンバ演奏をしていたし、演奏する姿やリズムが大好きだから」とのこと。
 マヤの時代から伝わる楽器演奏が、若い世代にもしっかりと引き継がれていました。

街の「廃虚に住むバレエの先生」

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 アンティグアの建物は18世紀後半の地震によりその多くが倒壊しました。教会などの主だった建物は当時のまま残され、自然災害の歴史を伝えています。
 街の中心の立派な時計台の脇で出会ったのはバレエ教室を営む先生。驚いたのは、自宅兼バレエ教室として使っているこの建物がもともと修道院だったこと。地震で一度廃虚となってしまったところを改修し、現在のすてきな建物にしたそうです。
 特に印象的だったのは中庭の噴水。廃虚にあった噴水を複製して造ったとのこと。勢いよく吹き出す噴水を見ていると、スペイン統治時代にタイムスリップしたような気分になりました。
 先生は「私のルーツはこの古い街、古くから伝わる美しいものを決して失ってはならない」と静かにほほえみながら語ってくれました。

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