これまでの街歩き

チェスキー・クルムロフ/ チェコ

2006年9月19日(火) 初回放送

語り:山本太郎

撮影時期:2006年8月

世界地図

地図

場所

チェコ共和国の南ボヘミア地方に位置する人口およそ1万4000人の小さな街チェスキー・クルムロフ。地名のチェスキー・クルムロフとは“チェコのねじれた川辺の草地”を意味し、街はその名の通り蛇行して流れるブルタバ川に沿って作られています。13世紀に地元の貴族によって街の建設が始まり、16世紀にルネッサンス都市として、ほぼ現在の姿が出来上がったと言われています。それぞれの時代の建築様式を見事に融合し、独特の雰囲気を作り上げたこの街は1992年に世界遺産に指定されています。

Information

エゴン・シーレの美術館

チェスキー・クルムロフにはエゴン・シ―レのアートセンターがあります。
ウィーン生まれのエゴン・シーレですが、彼の母親がチェスキー・クルムロフ生まれのため、美術学校を退学した後、シーレはウィーンを離れ、母の故郷であるクルムロフにやって来ました。「庭の家」と呼ばれているアトリエを構え、多くの傑作を生み出しました。シーレがチェスキー・クルムロフで好んで描いたものは、城や塔という町を象徴するものではなく、町中のごく普通の家々でした。その作品からは一つ一つの家の表情が生き生きと伝わり、彼がクルムロフの町にいかに魅せられていたかがわかります。しかしアートセンターには残念ながらシーレが描いたクルムロフの風景画は1枚もありません。高額なシーレの絵は、センターの敷地すべてと、所蔵品のすべてを売り払ったとしても、1枚も買うことはできないそうです。館長さんは「いつかシーレの作品を手に入れて、ここに飾ることが私の大きな夢です」と話してくれました。

回転劇場

チェスキー・クルムロフ城の庭園には少し変わった劇場があります。普通の劇場では、シーンに合わせて舞台が回りますが、ここはなんと観客席が回るのです。この劇場ではオペラやバレエなど様々な演劇が催されます。観客は360度回りながら、野外に作られた舞台を楽しみますが、演じる俳優さんたちは舞台の周りを走り回らなくてはならないので大変だそうです。

城の熊

チェスキー・クルムロフ城には、どういうわけか3頭の熊がいます。なぜ城に熊がいるのかと言うと、それにはこんなおとぎ話があります。むかし、王さまが、森に鹿狩りに出かけました。狩りをしていると突然、メス熊に襲われました。慌てた王さまは、馬を飛ばして城まで逃げ帰りました。追っかけて来た熊を振り切ろうと、跳ね橋を上げたところ、熊は橋を渡りきれず、堀に落ちてしまいました。メス熊はそこで子供を産み育て、以来370年もの間、熊が城の堀に住み続けていると言うことです。

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