これまでの街歩き

チェスキー・クルムロフ/ チェコ

2006年9月19日(火) 初回放送

語り:山本太郎

撮影時期:2006年8月

街の「だまし絵」

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チェスキー・クルムロフの街にはたくさんの「だまし絵」があります。石造りの立派な門、と思ったら石の絵が描いてあるだけだったり、たくさん窓がある家だな、と思ったら本物の窓にまぎれて描かれた、だまし絵の窓だったりします。街のシンボルであるチェスキー・クルムロフ城までだまし絵だらけ。外壁から中庭まで、だまし絵で埋め尽くされています。どのだまし絵も立体的に描かれていて、一見すると本物と区別がつかない・・・と言うことはありませんが、チェスキー・クルムロフの街並をとてもユニークにしています。

街の「サッカー少年」

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修復中の古い家をぬけ、川沿いの家が並ぶ路地にでました。そこで壁を相手に一人黙々とサッカーの練習をしている少年と出会いました。少年は2002年8月13日にこの街を襲った大洪水の跡を見せてくれました。少年の背丈を軽く越える高さの洪水跡は、川沿いの街チェスキー・クルムロフの、美しさに隠れたもう一つの顔を見せてくれました。しかし少年は、洪水も起こる、遊び場も少ないこの町が好きだと言います。「石畳とか、博物館とか、お城とか、古いものがいっぱいあるから、気に入ってるんだ…」チェスキー・クルムロフの人たちが街を愛する気持ちはこんな小さな少年にもちゃんと伝わっている様です。

街の「研ぎ師」

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街の中心のあたりを歩いていると、2階の窓からおじさんと犬が一緒に顔を出していました。お邪魔すると、そこは小さな工房で、ピカピカに磨かれた刃物がいっぱい…。おじさんは研ぎ師で、小さいハサミから斧、メスなどの手術道具、ミシンなんかも修理しているそうです。「古いものや、人の手をかけて技術が結集した道具は残していきたいんだ。女たちは私が直したミシンは、新品よりもよく縫えると言うよ」とおじさんは誇らしげに笑っていました。古いものを大切にしているチェスキー・クルムロフらしさを感じさせてくれるおじさんでした。

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