これまでの街歩き

ブダペスト・ペスト編/ ハンガリー

2007年1月30日(火) 初回放送

語り:浅野和之

撮影時期:2006年12月

世界地図

地図

場所

ハンガリーの首都ブダペストは、街の真ん中を流れるドナウ川を境に「ブダ」と「ペスト」、2つの街に分かれています。東岸のペストは、丘陵が続く静かな西岸のブダとは異なり土地が平坦で、にぎやかな商業地区となっています。19世紀末、ブダペストはオーストリア・ハンガリー二重帝国の都として、パリやウィーンに匹敵する大都市として繁栄しました。一時は人口が110万をこえ、国会議事堂や聖イシュトバーン教会などの壮麗な建造物はこの時期に多く建てられました。そうした建物は、現在もそのままオフィスや官公庁、ショッピング街として使われていて、ブダペストのかつての栄華を象徴する街並みとなっています。

Information

ハンガリアン・アールヌーボー

19世紀末にヨーロッパ各地で流行した“アールヌーボー(新芸術)”とよばれる新しい建築様式。ブダペストも例外ではありませんが、モザイク模様の屋根やアジア風の装飾などに独特のテイストを発見することができます。これはハンガリアン・アールヌーボーという建築様式で、ペスト生まれの建築家レヒネル・エデンが生み出したもの。ハンガリー人のルーツであるアジアのイメージを取り入れようと民族衣装や工芸品の模様を研究し、建築デザインに活かしたのです。その代表的なものが「工芸博物館」。ハンガリー特産の緑と黄色のタイルのモザイク模様がほどこされ、地上から見えない屋根の上にまで、ユニークな動物や花の陶磁器製のオブジェが配置されています。

ヨーロッパ大陸初の地下鉄

ブダペストはヨーロッパ大陸で最初に地下鉄が走った街です。現在、3つの路線の地下鉄がありますが、その中の一つ、アンドラーシ通りの下を、地上すれすれに走る1号線は、世界遺産にも登録されています。これは1896年、ハンガリー建国1000年を記念して開通したもので、当時の車両は浅くて狭い地下を走るため、車高が低く、車輪も車体の中に納まるように設計されていました。現在は車両も新しくなりましたが、100年前と同じ地上すれすれを走る1号線は一見の価値ありですよ。

夜の楽しみ 温泉と遊覧船

温泉の街としての顔もあるブダペストには、50もの温泉浴場があります。中でもヨーロッパ最大規模を誇る「セーチェニ温泉」は街の中心にあり、市民の憩いの場所としてにぎわっています。この温泉の名物は、お湯につかりながらのチェス。見物客も多く集まり、まさに「裸のつきあい」。温泉の後はドナウ川の遊覧船で、ブダペストの夜景を満喫するというのはいかが?豪華にライトアップされた「くさり橋」や国会議事堂など、ブダとペスト両方の夜景を一度に楽しめます。

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