これまでの街歩き

ザルツブルク/ オーストリア

2007年7月24日(火) 初回放送

語り:松田洋治

撮影時期:2007年5月

世界地図

地図

場所

人口およそ14万6千。オーストリア中部に位置し、州都ともなっているザルツブルク。今も中世のたたずまいの残る旧市街は、世界文化遺産に登録されています。また、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となったことや、1756年に天才ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが生まれた町としても知られています。平均気温は日本の青森や北海道に似ています。夏には最高気温が30度を超えることもありますが、日本のように湿度は高くありません。街は、市の中央を流れるザルツァッハ川を境に北の新市街、南の旧市街に分けられます。
「ザルツブルク」とは、ドイツ語で「塩の城」という意味です。その名が示す通り岩塩が今でも採れるこの街は、古くから塩の取引きで栄えました。岩塩は「白い黄金」と呼ばれ、ザルツブルクから諸外国へと輸出されました。
その塩の権利を一手にしていたのが、カトリック大司教です。当時、ザルツブルクはローマ教皇に任命された大司教の治める都市でした。そのことからザルツブルクは「北のローマ」とも呼ばれています。歴代の大司教は「白い黄金」から得たばく大な富を誇示するかのように、この街に豪壮な建物を築きました。今に残るドーム(大聖堂)やミラベル宮殿などはその代表です。
ザルツブルクでは、モーツァルト生誕などを祝って数多くのイベントが行われます。1月のモーツァルト週間、7月末から8月末にかけて開かれるザルツブルク音楽祭などは有名です。

Information

歴史的な看板

旧市街一番の目抜き通りゲトライデガッセ。
この通りには、中世以来のギルドの伝統を受け継ぐ様々な形をした鋳鉄製の看板がたくさん並んでいます。当時はまだ字の読めない人が多かったため、看板はイラストであらわすことになっていたそうです。
中には新しいものもありますが、昔のまま残っているものもあります。
看板を見て歩くだけでも、中世にタイムスリップしたような楽しい気分になりますね。

世界遺産・ハルシュタット

「世界で一番美しい湖の村」と言われているハルシュタット。ザルツブルクから車か列車で2時間の道のりです。
ドイツ語ではなく、ケルト語でハルは「塩」、シュタットは「町」を意味します。山の上では今も天然の塩が採れ、重要な特産物となっています。岩塩採掘の歴史は遠く青銅器時代中期にまで遡(さかのぼ)り、この地方の富の源泉となりました。
ハルシュタットでは、天然の塩と湖でとれた新鮮な魚を使った料理を食べることができます。高い山に囲まれ深く澄み透った湖、そして昔ながらの伝統的木造民家が綾なすハーモニー。ハルシュタットもザルツブルクと同じく、世界文化遺産に指定されています。

大聖堂のパイプオルガン

1万人を収容できる西ヨーロッパ最大の聖堂、「ドーム」。774年に創建され12世紀に改装、そして1598年の大火災を機に、今の大きさに造り直されました。
ドームには大小合わせて5台のパイプオルガンがあります。モーツァルトもここでパイプオルガンを弾いたことがあるそうです。中でも、6000本のパイプからなる大きなパイプオルガンは、ヨーロッパで最大のものです。
運がよければ、生でこのパイプオルガンの音色を聴くことができるかもしれません。

※NHKサイトを離れます
ページトップ