これまでの街歩き

オデッサ/ ウクライナ

2007年10月9日(火) 初回放送

語り:桂 文珍

撮影時期:2007年7月

世界地図

地図

場所

ヨーロッパの東に位置する黒海。その北岸に、帝政ロシアの面影を残す港町、オデッサがあります。
18世紀末、ロシア皇帝エカテリーナ二世がヨーロッパへの窓口として建設を命じました。
瀟洒(しょうしゃ)な建物が立ち並び、並木やぶどうのツタが生い茂る。その美しさを称えて「黒海の真珠」と呼ばれました。
ウクライナがソ連から独立した現在も、ウクライナ随一の商業都市として栄えています。

Information

黒海とオデッサ港

黒海はよく湖と勘違いされますが、れっきとした海です。
黒海は、エーゲ海、地中海に繋がっていて、ヨーロッパとアジアを結ぶ海の道として、歴史的に重要な役割を果たしてきました。
オデッサ港は黒海の北岸にあり、ロシアや東欧への窓口として、建設当時から栄えてきました。現在も100カ国以上の国からの船が出入りしています。

ポチョムキンの階段

オデッサ港に面した壮大な階段は、「オデッサの階段」と呼ばれていますが、これはソ連を代表する映画監督・エイゼンシュタインの「戦艦ポチョムキン」の撮影で使われたからです。
1925年、エイゼンシュタインは、別の街でロシア革命を記念する作品を撮影していましたが、雨に苦しんでいました。そこでロケ地を、天気のいいオデッサに変更。シナリオも全面的に書き変えられました。オデッサの階段では、市民が軍隊に弾圧されるシーンが撮影されましたが、これも変更後に加えられたシーンだったのです。ポチョムキンの階段のシーンは「映画史上もっとも有名な6分間」として知られています。

地下通路

オデッサの地盤は軟らかい石灰岩。石を切り出して、建物の建設に使ったために地下は空洞だらけです。その空洞を利用して、地下通路が縦横無尽に張り巡らされています。通路は何層にもなっていて、一説には、総延長は3千キロメートルと言われています。かつては町の至る所にその出入り口がありましたが、現在はほとんどが閉鎖されています。
地下通路は、第二次世界大戦中は、ナチスドイツへの抵抗・パルチザン運動の秘密基地として使われました。通路の一部が、「パルチザンの栄光博物館」として公開されていて、司令室など、当時の様子が復元されています。

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