これまでの街歩き

天津/ 中国

2009年2月26日(木) 初回放送

語り:横山めぐみ

撮影時期:2009年2月

世界地図

地図

場所

天津は中国に4つしかない政府直轄市の一つで、首都北京から東へ約130kmのところにあります。「天津」の名は「天子が海河を渡った渡し場」という意味からつけられました。19世紀後半から20世紀前半にかけて、イギリス、フランス、アメリカ、ドイツ、オーストリア、ベルギー、イタリア、ロシア、日本が相次いで租界を設置し、中国でもっとも租界の数が多い都市となりました。今は、環渤海湾地域の経済の中心地であり、中国北方最大の対外開放港でもあります。人口は1145万、海外からの観光客数は年に130万人(2008年)です。

Information

天津の歴史

19世紀後半から20世紀前半にかけて、天津にはイギリス、フランス、アメリカ、日本など、9か国の租界がありました。現在でも数千軒の当時の建物がそのまま残っており、様式はバロック、ロココ、ゴシックなど様々です。
また、建物は西洋建築で、庭は中国の庭園風という当時の西洋人の自由な発想からできた折衷建物もあります。多種多様な西洋建築を見ることができることから、天津は「世界の建築博覧会場」とも呼ばれているんです。また、ラストエンペラー・溥儀は、北京を追われた後の1925年に家族や従者を大勢連れて天津にやってきました。そのため、天津には溥儀や皇族の邸宅もたくさんあります。

天津名物―肉まん

天津の名物は“天津飯”や“天津甘栗”ではありません。
実は天津飯も天津甘栗も、日本の物なんです。天津の本当の名物は「天津肉まん」。「天津肉まん」は150年の歴史があり、かの西太后も「どんな牛や羊、海鮮も、ここの肉まんのおいしさには負ける」と言ったぐらいです。
味の秘密は餡(あん)。9種類の餡を醤油(しょうゆ)やごま油で念入りに調理します。
そして決め手は包む皮です。練ったあと、生地が半分発酵した時に餡を包み始めます。襞(ひだ)の数は18個、これが肉まんが一番美しく見える数です。10分間蒸してできあがり。最初の一つ目は何もつけずに、その後は黒酢などをつけて召し上がってみてください。

泥人形

180年の歴史を誇る天津泥人形は、まだ写真が無かった時代に京劇の様子などを記録するために生まれました。その後、清代末期には美しい女性や仕事をする人など、さまざまな泥人形が作られるようになりました。
人形作りで一番重要なのが泥です。まず、天津郊外で採れる砂の少ない粘土を選び、水で溶いてろ過し、異物を取り除いて乾かします。次に、再び粘土を水で溶き、綿や繊維、もち米を少し混ぜます。その後、地下室に3年寝かせて、やっと人形に使えるようになります。
人形作りは、まず泥が柔らかい内に手だけで全体を作り、泥が固まってきたら、ヘラで強く深く彫り込んでいきます。そして、その人物の性格に合った色をつけてできあがり。中国伝統のフィギュア「天津泥人形」、お土産にどうぞ。

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