これまでの街歩き

ベネチア 夏編/ イタリア

2009年10月8日(木) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2009年8月

世界地図

地図

場所

ベネチアの人口はおよそ6万人。他民族の侵攻から逃れ、9世紀に干潟の上に築かれた水上都市です。120もの小さな島々が、400を超える橋で結ばれています。
島々では独自に街づくりが進められ、それぞれ教会が建てられました。そのため、街には今でも数多くの鐘楼が残っています。
ベネチアは地中海を拠点とした海上交易で巨万の富を築き、15世紀前半には黄金期を迎えました。街と周辺の島々を含むエリアが「ベネチアとその潟」として、1987年に世界遺産に登録されています。
島内には車が走っておらず、住民の移動手段は主に船。秋から冬にかけては、高潮により土地の低い場所は冠水することもあります。
2月には仮面が印象的なカーニバルが行われ、映画祭、ビエンナーレなどのイベントも世界的に有名です。近くにはガラスで有名なムラーノ島、レースで有名なブラーノ島などがあります。

Information

サン・マルコ広場のカフェ文化

かつてナポレオンが「世界一美しい」とたたえたサン・マルコ広場。実は、ヨーロッパで最初にカフェができたのはこの広場です。
1645年、ヨーロッパで初めてコーヒーがベネチアに入ってきました。私たちにおなじみの“カフェ”の文化は、ここから花開いたんですね。今も広場には1700年代のカフェがあり、人々はそこでくつろぐことができるんです。そのカフェのウエイターが、メニューの一部をご紹介!90度9気圧で、25秒だけ抽出する正統派の「エスプレッソ」。これを泡立てたミルクで割ったものが「カプチーノ」。甘さ控えめなチョコレートを加えると、「ビチェリン」。知っているようで知らない!?奥深いコーヒーの世界を味わってみてください。

ゴンドラの秘密

ベネチアへ来たらはずせないのがゴンドラ!水上からの景色はもちろん、注目すべきモノがもうひとつ。「フォルコラ」という、操縦の秘密兵器があるのはご存じですか?フォルコラとは、16世紀に発明されたオールを受ける軸のこと。操縦時の状況に合わせ、オールを差し込む溝を幾通りにもつけたその形は、芸術品とも称されます。これを器用に使って、船頭さんたちは細い運河も自由自在に船をすすめます。たとえばゴンドラの発進時は、付け根の溝を使います。オールをコンパクトにまわすことで、水しぶきをあげないスムーズな移動ができるんです。
フォルコラは、すべて船頭さん一人一人に合わせたオーダーメイド。ゴンドラに乗るときは、船頭さんたちのオールさばきも必見ですよ!

ベネチアングラス

ベネチア本島から1.5kmの沖合にあるムラーノ島。世界中にファンをもつガラス工芸品、ベネチアングラスの故郷です。ベネチアングラスの最盛期は15世紀~16世紀。「クリスタッロ」というガラスの材質の発明によって迎えられました。それまでとは全く違う、クリスタッロの美しい透明さは、ヨーロッパ中をとりこにしたのです。
また、ガラス形成時のしなやかさも、ベネチアングラスの大きな特徴です。このしなやかさを利用して、繊細で凝った装飾が可能になりました。
ベネチアへ来たら、本場のベネチアングラスを見に、ぜひムラーノ島まで足をのばしてみてください。

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