ベネチア 夏編／ イタリア
2009年10月8日（木） 初回放送
語り：永作博美
撮影時期：2009年8月
街の「隠れたヒロイン」
サン・マルコ広場へ行こうと、ぶらぶらしていたときのこと。時計塔へと続く路地で、アパートの２階に変わったレリーフを見つけました。それは、おばあさんが通りをのぞき、脇に何かを持っているかのようなレリーフです。通りかかった地元の女性に話を聞くと、実はこのおばあさん、ベネチアの隠れたヒロインなのだそう。１４世紀、謀反人がサン・マルコ広場に侵入しようとこの場所を通ったとき、アパートからおばあさんが鉢を落としました。それが、リーダーの頭に直撃。クーデターは失敗に終わったんだそうです。このおばあさんがいなければ、もしかしたら今のベネチアはなかったのかも！？
サン・マルコ広場へ行くときには、少し上を見て、この街の救世主を探してみてはどうでしょう。
街の「傾いた鐘楼」
アンジェロ広場から南の方向に、傾いた巨大な鐘楼を見つけることができます。近くの工房で働く美術品の修復士さんの話では、鐘楼の名前は「サンステファノ鐘楼」。１６世紀に建てられ、建設途中からすでに傾き始めていたということです。２０世紀、ベネチア市による補強工事が行われ、今は文化庁が管理しています。
とはいっても、遠くから見ればかなりの傾きなのですが…、おじさんは全く気にしていない様子。「鐘楼の傾きは、この街に流れた時の長さだから。このまま倒れないでいてくれるだけでいい」と、話してくれました。
街の「夏の休日」
住宅街を運河沿いに歩いていたら、パラソルや浮き輪を積んだボートに乗った家族に出会いました。ベネチアでは夏になると海に干潟があらわれ、休日はそこにパラソルを立てて一日を過ごすんだそうです。その家族は、潮干狩りの帰り。まるでプライベート・ビーチのようで、うらやましい限りです。
女の子は自慢げに、バケツいっぱいとれたアサリを見せてくれました。とったアサリで、今夜はアサリのスパゲッティを作るそうです。夏を満喫する家族の姿が、とっても印象的でした。