これまでの街歩き

カントー/ ベトナム

2011年2月27日(日) 初回放送

語り:小倉久寛

撮影時期:2010年10月

世界地図

地図

場所

カントーは、ベトナム南部にあるメコンデルタ最大の都市。人口はおよそ110万。フランス統治時代の120年前から発展を続け、今では農産物の流通拠点としてだけでなくメコンデルタの経済、文化、科学、技術の中心地となっています。人口もこの20年間で倍増し、経済成長著しいベトナムの中でも特に好景気に沸く街の1つです。
またカントーは、観光地としても有名です。周辺の農村地帯へのグリーン・ツアーや近郊にある水上マーケットを訪れる観光客で、一年中にぎわっています。

Information

メコンデルタ

メコンデルタは、大河メコンの河口に広がる肥よくな三角州。その広さは日本の九州ほどもあります。人々は、もともと湿地やジャングルだった土地を数百年かけて開墾し、農地へと変えました。今、メコンデルタは世界有数の稲作地帯。そしてカントーは、デルタで収穫された農作物を大都市へと送る際の集積地なのです。
このデルタの中にはもともと農業用に掘られた水路が網の目のように延びていて、これを使ってさまざまな物資が運ばれます。水路は、いわば道路みたいなもの。また、同時に生活の場でもあります。洗濯をしたり、行水をしたり、時には犬も洗ったり…。デルタでは船が大切な交通・輸送手段であるため、水路には船の燃料がなくなっても大丈夫なように、「水上給油スタンド」なんて便利なものまでありました。

フーティウ

ベトナムの麺料理といえば「フォー」が有名ですがカントーをはじめ、ベトナム南部では「フーティウ」という麺料理が食べられています。フーティウの麺もお米で作られますが、「フォー」より細いのが特徴。米を細かく砕いてよく水と混ぜ、クレープの要領で鉄板の上で薄くのばして焼きます。焼き上がったら3日ほど天日で干してから、機械で裁断して、麺は完成。この麺をさっとゆがいて丼へ移し、その上に肉や魚介類の具をのせてスープをたっぷりかけます。そして、フーティウの上に、生のモヤシや春菊をどっさりのせ、思いっきりかき混ぜます。こうすれば野菜にほどよく熱が通り、おいしくいただけます。カントーに来たら、ぜひ、食べてみてください。

水上マーケット

カントー郊外にあるカイラン市場。ここは、船の上で取り引きが行われる「水上マーケット」です。毎朝早くから、メコンデルタの恵みをいっぱいに積んだ船が集まってきます。マーケットに来るのはほとんどが卸業者で、ここでたっぷり買って町や村に戻り、地元の商店に卸しています。
このマーケットには、ちょっと変わったルールがあります。どの船も竹ざおをまっすぐ立て、その先に野菜や果物をくくりつけています。実はこれ、その船で売っている商品を示しているのです。いわば、お店の看板。カボチャの船にはカボチャ、キャベツの船にはキャベツがさおの先に。そして、野菜全般なんでも扱っている船には、何種類もの野菜がくくりつけてありました。わかりやすいですね。

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