これまでの街歩き

カントー/ ベトナム

2011年2月27日(日) 初回放送

語り:小倉久寛

撮影時期:2010年10月

街の「お米屋さん」

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通りを歩いていると、店先に座り込んで、大きなたらいを前に何か作業をしている人たちに出会いました。よく見ると、お米に混じっているもみ殻を1つ1つより分けています。お店に並べる前に、店の人総出でお米をきれいにしているそうです。
店に並んでいるお米はすべてカントーの周辺でとれたものとのこと。店内には、色んな種類のお米が所狭しと並んでいました。メコンデルタは世界有数の米どころで、味も良いのだそうです。「“米白く水澄むカントー”って昔から言われているのよ」と誇らしげに教えてくれました。この言葉、きっとカントーの豊かさを表したものなんでしょうね。

街の「サルがいる路地」

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大通りを歩いていると、細い路地からバイクが出てきました。気になってちょっと入ってみると、急に静かに…。路地裏は住宅街。食事の支度で野菜を洗うおばさん、洗濯物を干すおじさん、放し飼いで追いかけっこをしているニワトリまで…。さらに、軒先で飼われているサルにも出会いました。飼われて15年になる「おばあちゃんザル」です。飼い主によると、ハンサムな男の子が大好きで、女の子はお気に召さないのだとか。
一見、床屋さんのように見えるマンガの貸本屋さんでは、少女が店番をしていました。おすすめは恋愛マンガなんだそう。きっと近所の子どもたちのたまり場になってるんでしょうね。
てんびん棒を担いだ物売りの声が響く午後の路地、のんびりマイペースな時間が流れていました。

街の「代書屋さん」

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通り沿いに連なるテントの下に、パソコンを置いた机がずらりと並ぶ一角を発見。こちらのみなさん、お客さんに代わって役所などに提出する書類を作る「代書屋さん」だそうです。中に、一人だけ古いタイプライターをカチカチ打っているおじさんがいました。このおじさんはベトナム戦争で負傷したため歩くことができなくなったそうです。毎日、車いすで片道3kmの道のりを通ってこのお仕事をされているそうです。今はお金がなくパソコンは買えませんが、いつか買ったときのために、パソコン用のキーボードを使って、仕事の合間に練習しているとのこと。「人生は変えることができるんだ」という前向きな言葉と笑顔…。とってもすてきなタイプライターのおじさんでした。

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