これまでの街歩き

マナウス/ ブラジル

2011年3月20日(日) 初回放送

語り:林 隆三

撮影時期:2010年8月

世界地図

地図

場所

ブラジル・アマゾン地域の真ん中に位置するマナウスは、アマゾナス州の州都であり、人口およそ170万のブラジル北部最大の都市です。19世紀に天然ゴムの集積地として黄金時代を築き、現在でもアマゾン一帯の経済や物流の中心として繁栄を続けています。
市街地の郊外には牧場、その外側には広大な熱帯雨林が広がっています。周辺の都市と結ぶ陸上交通網は発達しておらず、川を行く船が主要な交通機関です。また、ジャングルや川などを巡るアマゾン観光の中心地にもなっています。

Information

アマゾン料理

アマゾン川には、2000種類以上もの魚が生息しているといわれています。その中でもよく食べられているのは10種類ほど。炭火焼きやフライのほか、大きな鍋での煮込み料理が好まれています。
数あるアマゾンの魚料理の中でもマナウスの家庭でよく作られるのは、煮込み料理の「カルディラダ・デ・ツクナレ」。「ツクナレ」はあっさりした味の白身の魚です。一口大に切ったピーマン、トマト、玉ねぎ、青とうがらしをオリーブオイルでいため、色づけにパプリカを入れます。お湯を入れてひと煮立ちさせてから、ツクナレを入れて煮込みます。ツクナレを入れたら火加減に注意。煮すぎは禁物です。さらにゆでたジャガイモとゆで卵を加え、仕上げに青ねぎと香草をちらせば出来上がりです。お皿によそったご飯にスープごとかけて、召し上がれ。

アマゾナス劇場

19世紀、ゴム景気に沸いたマナウス。そのゴムがもたらした富で、アマゾナス劇場は建てられました。イタリア・ルネサンス様式のオペラハウスで、大理石の柱や階段をはじめ、ブロンズやガラスの装飾品、さらにはドーム屋根のタイルまで、材料はすべてヨーロッパから運ばれました。客席数は700。劇場の天井には、エッフェル塔を下から見上げた絵が描かれています。
この劇場を見ると、100年以上も前、アマゾンの奥地に存在した高い文化に驚かされるとともに、当時のゴム景気がいかに盛り上がっていたのかを実感することができます。

二色の川

マナウスから10km下った地点では、川の水の色が二色に分かれています。茶色と赤褐色。実は、この地点でアマゾンの本流と大きな支流が合流しているのです。茶色く濁っているのはアンデス山脈から流れてくるアマゾン本流のソリモンエス川。赤褐色は、マナウスを流れるネグロ川。ジャングルを流れるこの川は植物の色素で赤褐色になっているといわれています。
二色の流れは混じり合うことなく、合流地点から10km以上も分かれたままです。その理由は、二つの川の水温と流れの速度の違いです。ネグロ川は、水温26度から28度で時速4~5km。一方、アンデスの雪解け水を集めて流れてくるソリモンエス川は、水温16度から18度と冷たく、時速は6~8kmとネグロ川よりやや早いのです。
二色の水に分かれて流れる大河。まさに、アマゾンの神秘です。

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