これまでの街歩き

ドイツ 街道の街を歩く
ハイデルベルク/ ドイツ

2011年9月14日(水) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2011年6月

世界地図

地図

場所

 古城街道にあるハイデルベルクは、人口14万。南ドイツ、バーデンヴュルテンベルク州第5の都市です。600年以上の歴史をもつドイツ最古の大学・ハイデルベルク大学があり、学生の数が人口の2割を占めることから、「学問の街」としても知られています。
 街の真ん中をネッカー川が横切り、川を挟んでハイデルベルクの旧市街と哲学の道があります。旧市街にはハイデルベルク城があり、12世紀の神聖ローマ帝国の時代から現代に至るまで何度か修復を経ながら、街のシンボルとして存在しています。城下町だっただけに市場も栄えていて、旧市街の中心にあるマルクト広場では、中世のころから市が開かれていました。

Information

古城街道のクルーズ

 ハイデルベルクは、ドイツの観光街道である「古城街道」の街。中でも、旧市街の中央を流れるネッカー川の渓谷付近には、中世に造られた城が多く集まり、それらを巡る遊覧船があります。ネッカー川からは、中世に造られた城をたくさんみることができます。ネッカーシュタイナハの街には「フォアデアブルク」「ミッテルブルク」「ヒンターブルク」「シャーデック」の4つの城があり、遊覧船からそのすべてを見ることが可能です。
 またネッカーツィマーンの街では、城を眺められるだけでなく、中世の城「ホルンベルク」に泊まることもできます。断崖の上に建つその城からの景色は最高です!そして夜、ハイデルベルクに戻ってくる遊覧船に乗れば、ライトアップされた美しい街並みを一望することができます。

大学のシニア学生

 「学問の街・ハイデルベルク」を象徴するのが、ドイツ最古の大学・ハイデルベルク大学。街には、市の人口の2割を占めるほど多くの学生が通学しています。
 ただ、学生は若い人たちばかりではありません。89歳のハンス・ヨアヒム・ケーゲルさんは、ここでドイツの近代史を学んでいます。ハイデルベルク大学では、年輩者(シニア)を受け入れる制度があり、大学で聴講することができるのです。大学の図書館は、学生証さえあればシニア学生も自由に利用することができます。600年もかけて集められた文献は、世代を問わず多くの人に使われており、いわば街の共有財産となっています。シニア専門の講座は全部で1000以上もあり、安い学費で自由に選ぶことができます。シニア学生の数は2万7000人。戦争や勤労で進学を断念した人たちや教育が受けられなかった女性たちにとっては、とても貴重な機会になっていると喜ばれています。授業を担当する先生も定年で現役を退いた人たち。人も街の大切な共有財産なのですね。

鷹匠(たかじょう)

 ハイデルベルクで鷹(たか)を操る鷹匠として活躍しているウーヴェ・ヤーコップさん。この街で鷹を使って実演教室を開き、子どもたちに自然について教えています。鷹についての知識は、13世紀のフリードリヒ2世の時代に著された鷹狩りの研究書から得ました。鷹狩りは、中世のころから王族のステータスシンボルで、ハイデルベルクの王たちも盛んに行っていました。鷹狩りの技術は中世のころから確立していたのです。
 鷹が獲物を狙うときの飛行速度は時速300km。鷹は、イタチを襲うことは決してありません。それは、イタチがウサギの穴に入ることでウサギがそこから飛び出し、それを獲物にできることを知っているためなんです。鷹はイタチの行動をうまく利用しているのですね。
 鷹匠・ヤーコップさんのこうした実演教室を通してハイデルベルクの子どもたちは自然の面白さと大切さを学んでいます。

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