これまでの街歩き

ドイツ 街道の街を歩く
ハイデルベルク/ ドイツ

2011年9月14日(水) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2011年6月

街の「演劇学生たち」

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 学生食堂を抜けた先に、ビラを配る2人の若い男女を発見。しかも、ちょっと古風でおしゃれな格好をしています。話しかけると、ハイデルベルク大学ドイツ文学科の演劇部の学生さんでした。まもなく初演を行うので、宣伝をして回っているのだそう。
 舞台の内容は“居酒屋でロマンスが生まれる”というストーリー。でも、主演の2人は実生活では恋人がいないとのこと。男子学生は「この街が美しすぎて、本当の愛が見つけられない」のだとか。
 しばらく街を歩いたあと、偶然にも彼らの練習場を見つけました。公演を間近に控え、リハーサルに取り組んでいるところにお邪魔しました。みんなメイクをしたり、貴族のような衣装を着たりして、頑張っています。「卒業したら離ればなれになるけど、長く続く友情もあるはずさ」「僕にとってここでの時間は人生で一番楽しい時間になると思うよ」と、誇らしげに話す学生たち。青春をおう歌する彼らの姿を見ているとなんだか学生時代に戻りたくなってしまいますね。

街の「ユニークな駄菓子屋さん」

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 自転車が次々と行き交うプリュック通り。大学の校舎がいたるところに散らばっているこの街では、学生の大切な通学手段として自転車が使われます。その通りの先で、何やら若い女性たちが出てくる建物を発見。あ、ここも大学の校舎なんだと思ったら、中から出てきたのは長いあごひげをたくわえたファンキーなおじさん。ここはお店なのでしょうか?
 入口の横を見てみると少し変わったディスプレーを発見。歯医者の診療台に座っている人形と、その下には大量の歯型が。恐る恐る中に入ると、ハート型の展示物や大量のお菓子が。どうやらここ、駄菓子屋さんのようです。
 先ほどのおじさんは、ここの店主。店にきた子どもとサイコロゲームをして遊んでいました。投げた3つのサイコロの目の合計が10より上か下か予想して、当たったら賞品がもらえるというもの。この日来ていた子どもは見事に予想を的中させ、賞品をゲットしていました。
 おじさんに、店頭のディスプレーについて聞いてみると「甘いものを食べ過ぎると虫歯になるから、注意する意味で置いているんだ」とのこと。甘いものを売る駄菓子屋さんなのに、ちゃんと、菓子を買っていく子どもの“教育”のことも考えている…。さすが、「学問の街」の駄菓子屋さんですね!

街の「学生寮」

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 プリュック通りをぐるりと歩いて、向こうに川が見える通りへ。すると、自転車がたくさん停まっている建物を発見。ここも大学の校舎?それにしては人が少ないな…と思っていると、中に入っていく青年を発見。ついて行ってみましょう。
 中で話していた学生さんたちに話を聞くと、ここは大学の校舎ではなく、学生寮とのこと。仲の良い彼らの輪の中にいた男性は、寮の管理人さんでした。優しげな笑顔をしています。寮の中は数ブロックに分かれていて、それぞれ、キッチンを中心にいくつかの部屋が周りにある構造になっていました。
 法学部の男子学生の部屋におじゃますると、キッチンでおととい飲んで出したままになった酒瓶を発見。部屋の床には服や本がちらかったままに。管理人さんは「この仕事をしていて一番うれしいことは、いつも若者にふれあえて、卒業した学生と再会できること」と誇らしげに語ります。医学部の学生が医者になって戻ってきたときは特にうれしかったそう。
 寮生の親御さんの中には、子どもが心配で電話をかけてくる人も多いそう。管理人さんは寮生たちの“お父さん”として、彼らを見守っているようでした。

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