これまでの街歩き

あこがれリゾートの街を行くⅠニューカレドニア島ヌメア/ 仏領ニューカレドニア

2012年4月3日(火) 初回放送

語り:安 めぐみ

撮影時期:2012年1月

世界地図

地図

場所

 「天国にいちばん近い島」の呼び名で知られるニューカレドニア。オーストラリア大陸の東、およそ1200kmに位置するフランスの海外領土です。サンゴ礁に囲まれた美しい島々からなり、最大面積のニューカレドニア本島は、日本の四国ほどの大きさです。首都ヌメアはその南端の半島にあります。人口は9万8000。エメラルドグリーンの海と、真っ白な砂浜で名高い、南太平洋屈指のリゾート地です。
 19世紀半ばにフランス領となり、その後ニッケル鉱脈が発見されると、世界中から多くの労働者が集まりました。その子孫たちが暮らすニューカレドニアは、今でも多様な人種や文化が共存しています。街を歩けば、先住民カナックの人たちや、フランス系、ベトナム系、インド系、日系と、実にさまざまな顔に出会えます。ヨーロッパ風の一角があれば中華街もあり、公園の木陰では先住民カナックの人たちが昼寝の真っ最中。そんな多国籍な雰囲気も、ヌメアの魅力の一つです。

Information

とっておきレジャーの島めぐり

 ニューカレドニアのサンゴ礁は、オーストラリアのグレートバリアリーフに次ぐ規模と言われ、世界遺産にも登録されています。そんなサンゴ礁の海を楽しむためにお薦めなのが、船で行く「島めぐり」です。
 本島の周囲には無数の島々がありますが、その美しさとお手軽さで人気が高いのが、ヌメアから船で40分の「アメデ島」です。週4~5回、ヌメアからツアー船が運航しています。島は1周歩いて15分ほどの小さな無人島。パウダーサンドの白い砂浜がぐるりと周りを取り囲んでいます。貴重な生態系が大切に保護されているサンゴ礁の海は必見です。色とりどりの魚たちが出迎えてくれます。
 また、島のシンボルマークである「アメデ灯台」に登ってみるのもいいでしょう。ナポレオン3世の命によって19世紀末に建てられた真っ白なこの灯台。高さは56mあって、てっぺんに登れば360度エメラルドグリーンの海の大パノラマ。まさに息をのむ美しさです。
 他にも、「海の宝石」の異名を持つイル・デ・パン、先住民の独自の文化が残るウベア島、島全体がリゾートホテルとなっているメトル島など見どころはいっぱい。ニューカレドニアで、あなただけの「天国にいちばん近い島」を探してみてはいかがでしょうか。

先住民カナックの文化

 ニューカレドニアにヨーロッパ人が初めてやって来たのは18世紀末。19世紀半ばにはフランス領となりました。島の先住民はカナックと呼ばれる褐色の肌の人たちで、今でも人口のおよそ4割を占めています。
 カナックはおよそ3000年前に、東南アジアから島づたいにニューカレドニアへやってきたといわれています。タロイモやヤムイモなどイモ類の農耕技術も、彼らがアジアから島に持ち込んだとされます。
 カナックは自然と調和した生活を営んできた民族です。伝統的な住居「カーズ」は、かやぶきのとんがり屋根に、ヤシの葉などで編んだ壁を使いました。屋内の空間は、とんがり屋根のおかげでとても広く、暑い盛りにも涼しい空気をため込みます。植物性の壁は通気性が高く、これも涼しく過ごすための工夫です。また、自然界の生物を「トーテム」という守り神としてあがめるため、住居の装飾の多くは動植物をモチーフにしています。
 カナックの死生観は独特です。生物は海で誕生し、魚となり、トカゲとなって陸に上がり、そして人間となる。人類の始祖は、トカゲと人間の中間的存在にあたる、「テア・カナケ」。テア・カナケが生涯を終えたとき、その魂は再び海へと帰って行く。こうして魂は輪廻(りんね)を繰り返すのだそうです。
 こうしたカナックの考え方では、人間も壮大な自然の一部でしかありません。島の自然が美しく保たれているのは、こうしたカナックの哲学が息づいているからなのかもしれません。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 ニューカレドニアの食べ物は、世界中からやってきた移民たちのおかげで実に多種多様です。フランス本国の食べ物はもちろん、中国、インド、ベトナムなど、各国の味が楽しめます。

ベトナムの味、「ネム」

ネムとはベトナム風の揚げ春巻きです。中国の春巻きと違いライスペーパーの薄皮で春雨や野菜、エビなどを包みます。サクサクの食感が命です。地元の人はこれを、フランス風にカフェ・オレと一緒にいただきます。この味のハーモニーが分かってこそ通なんだとか。

インドの味、「サモサ」

小麦粉の皮でひき肉やたまねぎを包み、揚げます。なんと言ってもスパイスが命。その配合は作り手次第。お店によって異なる味と香りを楽しんでください。

地元ニューカレドニアの味、「タロイモ」

島の人々のソウルフードです。サトイモに似ていて、煮て食べるとほのかな懐かしい甘みがあります。

【第4位】中国の味、「中華まん」。
厚めの皮がニューカレドニア風。具はひき肉、キクラゲ、たまねぎなどバリエーション豊富で、なんと、ゆで卵がまるごと入った中華まんもあるのだそう。

【第5位】フランスの味、「串マシュマロ」。
5cm角ほどのブロック状の甘~いマシュマロが4~5個、串に刺さっています。串を持って食べれば手がべたつかず、食べ歩きにぴったり。

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