これまでの街歩き

魅惑の古都を行くⅡ
サンクトペテルブルク・ペトロフスキー島界わい/ ロシア

2012年9月11日(火) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2012年7月

世界地図

地図

場所

 「ヨーロッパへの窓」と評されるサンクトペテルブルクは、ロシアとヨーロッパの境に広がる巨大な人工都市。18世紀当時、ロマノフ王朝の第5代皇帝・ピョートル大帝がモスクワから首都を移す際、ヨーロッパの進んだ文化をふんだんに取り入れた街を造るため、広大な沼地だった場所を埋め立てました。そのため、現在でも街には多くの水路や川が流れ、「水の都」と言われています。
 街の真ん中を流れるネバ川の北には、大小さまざまな島が連なっています。こちらは、商業と観光の中心地であるエルミタージュ界わいに対して、地元の人たちが暮らす下町。18世紀当時、ヨーロッパで流行した建築様式をふんだんに取り入れた建物が並ぶ通りには、銭湯や小さな生活雑貨店などが並び、サンクトペテルブルクの人々の営みを感じることができる散策エリアです。

Information

ペテルゴーフ

 サンクトペテルブルクに都を築いたピョートル大帝。彼が大国ロシアの近代化を世にアピールするために造った宮殿が、ペテルゴーフです。フランスのヴェルサイユ宮殿をモデルにし、宮殿と庭と噴水からなる豪華な宮殿は、当時の技術の粋を集めたもの。海からだんだんと階段状に高くなる地形を生かし、電気がない時代でも水の力だけで噴水を動かしていたのです。その後、歴代皇帝たちも次々に趣向を凝らした噴水を造りつづけ、現在は150以上もの噴水が庭園を彩っています。太陽を模した噴水や、チェスや傘をモチーフにした遊び心満載の噴水たち。追いかけっこをする鴨と犬を形どった噴水は、造られた当時から子供たちに大人気だったそうです。高度な技術の中にも、遊び心を忘れない歴代皇帝たちの宮殿造り。開館は5月から10月ごろまでの夏季期間中です。みなさんもぜひ訪れてみてください。

プーシキン

 サンクトペテルブルクが世界に誇る、アレクサンドル・S・プーシキン。トルストイやドストエフスキーなどにも多大な影響を与えた文豪です。情熱的な詩をつづり自らの思いに忠実に生きた彼の生涯は、突然「決闘」という形で終わりを迎えます。自分の妻に執ように言い寄った相手に決闘を挑み、凶弾に倒れて37歳の短い生涯を終えたのです。サンクトペテルブルクの街を愛し、代表作である「青銅の騎士」でも、「ピョートルの街よ、美しくあれ。ゆるぎなく立て。ロシアのように」とうたったプーシキン。その情熱的な生きざまは、今もサンクトペテルブルクの人々を魅了してやみません。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 街を歩き疲れた時、欲しくなるのは気軽に食べられる甘いものですよね。ということで、サンクトペテルブルクの甘いもの好きOL、アリーナ・ポリャコーワさんに、おすすめスイーツBEST3を紹介してもらいました。

手軽なロシア式クレープ「ブリヌイ」

ロシアに古くから伝わるロシア式クレープ、それがブリヌイ。ロシア人なら食べたことがない人はいないほど、定番メニューです。ロシア文化においても象徴的な意味を持つとされ、いろいろな言い伝えやことわざに使われてきたブリヌイ。ロシアンティーと一緒に、フルーツやクリーム、ジャムを塗って食べますが、意外にもイクラやキャビアをのせてウォッカと一緒に食すのが最高!ロシアに来たらぜひいろんなブリヌイを味わってみてくださいね。

ティータイムのお供に「ロシアンジャム」

ジャムというと、日本ではパンなどに塗って食べるのが一般的。しかしロシアではちょっと違います。ロシアの人たちにとって、ジャムは紅茶に欠かせない付け合わせのスイーツ。種類もたくさんあり、くるみの実を丸ごと煮込んだくるみジャムや、洋梨ジャム、かぼちゃジャムなど、バラエティーに富んでいます。冬の保存食として、さまざまな食材をジャムにしてきた歴史のあるロシアでは、それぞれの家庭で自慢の自家製ジャムを作っていたんですって。ちなみに、ロシアンティーを飲む時、ロシアの人は、ジャムを中に入れるのではなく、スプーンに乗せて少しずつなめながら、お茶を飲むんですよ!

疲れた時はガムの代わりにかもう!「ハチの巣」

ロシアの市場に行くと、必ず見かけるのがハチミツ屋さん。新鮮なハチの巣を切り売りして販売しています。ロシアの人たちは一口サイズで購入し、そのまま口へ。ガムのように蜜を味わうんです。新鮮なハチミツだからこそ味わえる、極上の味。ぜひお試しあれ。

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