これまでの街歩き

レッチェ/ イタリア

2013年3月12日(火) 初回放送

語り:工藤夕貴

撮影時期:2013年1月

世界地図

地図

場所

 イタリア半島南東部のサレント半島に位置するプーリア州レッチェ。人口は約9万。この地域は山が少なく、どこまでも平らな大地が続きます。少し足をのばせば、南にはイオニア海、東部はアドリア海を望む豊かな土地です。貿易港を中心として古くから商業都市として栄え、オリーブ油やワインなどの生産も盛んです。街の中心部にある旧市街は、紀元前12世紀から人々が暮らしはじめ、2000年以上の歴史があると言われています。ここには、石灰岩で造られた伝統的なバロック様式の建築物が立ち並び、「南イタリアのフィレンツェ」と呼ばれています。建築物のバルコニーに施された美しい彫刻の数々は、見応え十分です。
 また、レッチェにはローマ時代の遺跡が残る広場や大聖堂など魅力的な場所がたくさんあり、毎年数多くの観光客が訪れています。

Information

貴族の伝統的な刺しゅう

 古代ローマ時代に生まれた“貴族”という特権階級はすでに廃止されていますが、レッチェには今も40ほどの貴族の末えいが暮らしています。
 その末えいたちが大切に受け継いでいるのが、伝統的な“刺しゅう”です。刺しゅうは古代エジプト期が起源と言われ、南イタリアでも重要なものとされてきました。1800年代、花嫁の家では刺しゅうを施した嫁入り道具を用意する必要がありました。当時の貴族階級の娘は自由な外出が禁じられていたため、家の中で刺しゅうや文字を習って暮らしていたそうです。刺しゅうはハンカチやテーブルクロス、シーツ、下着などに施しますが、イニシャルに加えてメッセージを添えることも、当たり前だったのだとか。“永久に”や“縁を結ぶ”という文字が刺しゅうされ、赤い糸は“情熱”を、白い糸は“純潔”を表していたといいます。中には、髪の毛を使った刺しゅうまであったそうですよ。

食べ歩きグルメ

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介!

 街歩きしながら手軽に楽しめる食べ歩きグルメ。そのベスト3を紹介してくれるのは、食べるのが大好きなOLのベネレッタさんとエレオノラさん!

コディーノ

コディーノはイタリア語で“尻尾”という意味。そう呼ばれる理由は一目瞭然!なんと1mもあるクロワッサンなんです。焦げ茶色に焼き上がった生地は、サックサク。中にはチョコとクリームが挟まれていて、甘いもの好きにはたまりません。こんなパンを考え出すなんて、レッチェの人たちは楽しいことが大好きなんですね。

レジーネ

「王宮の生地」と呼ばれる、アーモンド・ペーストを使った甘いお菓子。レジーネにはいろいろな形のものがあり、ハンバーガーやアプリコット、洋梨、いちご、さくらんぼ、えび、ムール貝など、食玩のように精緻に作り込まれ、見た目も楽しめる一品です。ハンバーガーなんて、レタスやお肉だけでなく、マヨネーズまでトッピングされているんですから、びっくり!もったいなくて、食べられなくなりそうですね。

プッチャ

30種類もある具材から好きなものを選んで、丸い形のパンに挟んで食べるのが、プッチャ。具材は、ドライトマトやオリーブ、にんにく、ソーセージのマヨネーズあえなど、バラエティに富んでいます。パンがけっこう大きいので、切り分けて友達と一緒に食べる人が多いそうですよ。

ちょっとより道

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます!

ガリポリ
語り:つぶやきシロー

 今回は「イオニア海の真珠」と呼ばれる「ガリポリ」に、ちょっと“より道”してみましょう。ガリポリは、ギリシア語で「美しい街」という意味。レッチェから南西に40kmほど離れた港町です。電車に乗っておよそ1時間、ガリポリに着いたら新市街を通り抜け、150mある橋を渡ると、出島のように突き出た旧市街に到着します。海に囲まれた周囲2kmほどの旧市街は、入り組んだ路地と真っ白な建物が立ち並ぶ、かわいらしい街です。
 漁港近くの魚市場は活気にあふれ、近海でとれるフレッシュな魚介が売られています。その傍らには、日光浴を楽しむおじいさんたち。でも、話し掛けたら最後!あっという間に取り囲まれて、それぞれが好き勝手に話をしてきます。みんな陽気で冗談好きな人たちなんですね。
 夕暮れ時になると、地中海に沈む夕日が絶景です。オレンジの海に浮かぶ“真珠”をじっくりと堪能する、そんな素朴な旅を楽しめるのがガリポリの魅力です。

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