世界ふれあい街歩き

場所

　フランスの南に位置するプロヴァンス地方のアルル。ミストラル（北から吹き付ける強風）の街としても知られ、この強風が雲を払いのけ太陽を輝かせる街です。紀元前2世紀頃からローマ人によって都市が築かれ、ローマ帝国時代に繁栄を極めた旧市街には、世界遺産に登録されている古代劇場や円形闘技場など貴重な歴史的建造物が至るところで見ることができます。市では「古代ローマ巡り」や「中世の面影コース」「ルネサンスと古典主義時代」などアルルが経てきた歴史を旅することができるツアーも行っています。

街の人たちが守り続けるアルルの美

　旧市街の至るところに残る歴史的遺産の数々。古代ローマ時代に造られた遺跡からは世界的に有名な美術品がたくさん発見されています。そんな見事な名品にふれて暮らしてきたアルルの人びとは「美」に特別の価値観をもっているそうです。
　その象徴とされるのが80年ほど前に始まったアルルの女王コンテストです。街の人びとが最も美しい女性を選ぶコンテストですが、目的はアルルとプロヴァンスの文化を継承していく事にあります。女王に選ばれるには、プロヴァンス語を話せる事や遺跡の歴史をすべて知る事など多くの条件をクリアしなければなりません。アルルの人びとが抱く美しさとは外見も中身も美しいという事なのだそうです。

街歩きしながら手軽に楽しめるご当地の味を、厳選してご紹介！

　今回紹介してくれるのは、ルセットさん、ニコルさん、マリーズさんの3人のマダム。アルル伝統舞踊のダンサーの3人が、プロヴァンスの太陽の恵みから生まれた、踊りたくなる楽しいグルメを紹介してくれます。

アルルの女

まるでオルゴールの様な見た目のかわいらしい丸いケーキ。気品あふれるアルルの女性をイメージして作られたスイーツです。スポンジを純白のホワイトチョコレートでコーティングし、その周りに明るく元気な太陽をあしらった楽しい気分になれるケーキ。これを食べればエネルギーが注入されること間違いなし！

プチサンド

トマト、パプリカ、イカ墨などを生地にしっかり練り込んだパンがおいしいと評判のプチサンド。軽くてシットリしているパンに挟み込まれているのは、相性バツグンのハムやサーモンなどなど。売り切れてしまう可能性もあるのでお早めに。

トマトのチーズ

アルル女性の頼もしい味方、マルシェからのランクイン。プロヴァンスの元気な太陽の恵みを浴びた栄養満点のトマトが種ごと練り込まれたジューシーなチーズ。バジルも練り込んであるのでスパイシーなトマトチーズの口当たりはとろけてしまうほど滑らか。病みつきになること間違いなし。

街からちょっと足をのばして、イチ押しの観光スポットを訪ねます！

ヨーロッパ一の大湿原で白馬と美しい夕日を見よう

語り：温水洋一

　今回はアルルからバスで30分ほどの場所にあるカマルグへ。地中海沿岸に広がる大湿原地帯はヨーロッパ随一として知られ、そこから見る夕景は絶品なんだとか。
　バスを降りて歩いていくとカマルグの大自然の中で育まれた白馬と遭遇、この白馬は先史時代からいる貴重な種なんだとか。意外に人懐っこい白馬たちとふれあいながら日が沈むのを待っていると、白馬と夕日を見に行くというカウボーイたちに遭遇。誘われるまま馬に乗って散歩すると、驚いたことにバシャバシャと湿原の中へ入っていく。この地には馬でしか行くことが出来ない場所がいっぱいあるのだと教えてくれました。
　湿原の中で、フラミンゴを間近で見たあと、絶景の夕日スポットへ。湿原、空、白馬、全てがオレンジ色に輝いていきます、言葉では言い尽くせないほどの美しさでした。