これまでの街歩き

マルタ島の街々/ マルタ

2006年5月16日(火) 初回放送

語り:牧瀬里穂

撮影時期:2006年3月

街の「出窓」

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はちみつ色のマルタの街を歩いていると、建物から通りに突き出た出窓をよく見かけます。気温が高く、湿気の多いマルタでは通りを吹き抜ける涼しい海風を効率よく、家の中に取り込むために出窓を取り付けているのだそうです。
街で出会ったおばさんたちは出窓から顔を出し、通りの下にいるご近所さんと
大きな声で楽しい会話に花を咲かせていました。出窓は風を取り入れるだけでなく、街の人たちのコミュニケーションの場としても役割を果たしているのですね。

街の「バス」

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バレッタの城門の外に大きなバスターミナルを発見しました。
黄色く塗られた可愛らしいバスがひっきりなしに出入りしています。
よく見るとバスには様々な形がありました。特にバスの前面のデザインが個性的。マルタのバスターミナルは、さながら「バスの博物館」のようです。
営業所の人にバスの歴史を聞くと、ブリキの玩具のような旧型のバスは、エンジンや車体はイギリスから輸入して、外装はマルタで手作りされたそうです。
鉄道がないマルタ島では、バスは人々の貴重な足になっているということでした。
ちなみに、ゆったりとした時間の流れるマルタでは時間通りにバスが来ることは、ほとんどないそうです。

街の「渡し船」

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バレッタの船着場で、対岸の街を結ぶ渡し船を発見しました。対岸には二つの岬とその付け根のところにそれぞれ街があります。3つの街を合わせてスリーシティと呼ぶそうです。小さな渡し船は6人乗り。船頭のおじさんに聞くと、その渡し船は125歳なのだそうです。マルタは渡し船のひとつにまで歴史がありますね。
海面すれすれに風を切って進むと、左手に首都バレッタ、右手に対岸の岬の街がそびえ立ちます。海上から見る街は高い城壁に囲まれ、観る者に威圧感を与えます。
対岸までは所要時間5分。到着まで船頭のおじさんが陽気な話で楽しませてくれました。おじさんの話の中で印象に残った言葉、それは「マルタには3つ良いものがある。それは気さくなマルタ人、歴史、そして晴天」
マルタを表すのに、これほどぴったりの言葉はないかもしれません。

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