これまでの街歩き

寧波/ 中国

2010年8月1日(日) 初回放送

語り:矢崎 滋

撮影時期:2010年6月

街の「結婚記念写真」

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街の「結婚記念写真」川に挟まれ、半島のようになっている地区にはかつて港があり、19世紀の清代には外国の「貿易の拠点」が置かれ、イギリス、アメリカ、フランスなど各国の領事館や銀行、貿易会社が建てられました。中国では川辺のこうした地区を「外灘(ワイタン)」といいます。外灘といえば上海がとても有名ですが、寧波の外灘は上海より20年前に誕生していました。今も当時の西洋風の建築が数多く残っています。
外灘を歩いていて、次々と出会うのが記念写真を撮る新婚のカップルです。中国では結婚する前に写真スタジオや野外で結婚記念写真を撮る習慣があります。その撮影場所として寧波の外灘は大人気なんです。
華やかなドレスを着て石造りの洋館の前を歩く花嫁さんの姿を見ていると、欧米各国の商館が立ち並んでいた時代の様子が思い起こされます。

街の「屋台広場」

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街の「屋台広場」赤い大きな門構えを発見。たくさんの人が出入りしているのでのぞいてみると、広い建物の中に屋台がたくさん並んでいます。まさに「屋台広場」!
海が近い寧波では、なんといっても海鮮が有名。エビやカキ、ホタテを売るお店では焼いたカキを勧められ、別の屋台では「深海秋刀魚(さんま)」なるものを発見!深海サンマ、人気だそうです。サンマは海面近くに住んでいるはずなんですが…。
屋台広場があるのは「寧波城隍廟」。明代はじめに建てられ、清代の1884年に再建された廟(びょう)の跡です。お客さんの中には若者の姿が目立ちます。女性のグループに声を掛けると東北の吉林省や、安徽省から働きに来ているのだとか。貿易港を中心に経済発展が著しい寧波には、地方からたくさんの若者たちが集まってきています。

街の「迷路のお屋敷」

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街の「迷路のお屋敷」白い壁が続く古いお屋敷街。中がどうなっているのか知りたくてちょっとお邪魔してみると…。入口には郵便ポストがたくさん!何世帯も暮らしているということでしょうか?
奥へ進んで、二重の丸い門を通り、右に曲がると今度は屋根のついた立派な門が。ここを入ると、そこかしこに洗濯物が干してあって長屋のような建物がいくつも並んでいます。通路は迷路みたいにクネクネとしています。
「トントン」という音のする方に行ってみると、まき割りをしているおばあさんに出会いました。聞けば、ここは昔、大金持ちの商人の一族が住んでいた豪邸でしたが、今は改造され、会社の寮や地方から働きに来た人々の生活の場に。現在は64世帯が生活しているとのこと。おばあさんの息子夫婦や孫は新しいマンションに引っ越しましたが、ご近所とのおしゃべりが楽しめるここでのにぎやかな生活から離れ難く、一人暮らしをしているのだそうです。
しかし、寧波市の都市計画によって今後、引っ越しをしなければいけないのだとか。この古い屋敷は、住民の退去後に観光用に修復されるのだそうです。

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