これまでの街歩き

ミコノス/ ギリシャ

2012年2月23日(木) 初回放送

語り:永作博美

撮影時期:2011年10月

街の「タコ」

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 船着き場から西へ港沿いを歩いていると、船の帆に何やらはためく物を発見。よく見ると、タコがいくつも干されていました。そしてその先には、何かを岩に打ちつける女性が一人…。手元をよく見てみると、またもやタコ!! 女性に尋ねると、エーゲ海で取れるタコはかたくて食べにくいので、筋を軟らかくするために、まずは岩場で繰り返したたき、“ぐ~るぐ~る”と回しながらぬめりをとって、干したあとに調理するのだそう。
 実は、新鮮でおいしいと評判のエーゲ海の海産物の中でも、タコは人気メニュー。ミコノスの海辺に並ぶレストランでも、前菜からメインまで、オリーブオイルでマリネにしたり、炭火焼にしたりとさまざまな調理法でタコを味わっています。
 たたけばたたくほどおいしくなるそうで、こちらの女性は「おいしく食べるために100回はたたく」と教えてくれました。エーゲ海を旅したら、よ~くたたかれたタコの美味をかみしめてみてください。

街の「ギリシャ一古いパン屋さん」

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 丘の風車から下って、白い迷路のような住宅街へ入っていくと、そこに「BAKERY」という看板をつけた小さな入り口を見つけました。地下の店内に下りてみると、そこは真っ白な壁に囲まれた古いパン屋さんでした。聞けば、このパン屋さん、500年以上前からパンを焼き続けているのだそうです。現在店を切り盛りする10代目いわく「ミコノスだけじゃなく、ギリシャでいちばん古いパン屋だよ」。かつて、ミコノスの住人は、丘に並んでいた風車で小麦をひいていたそうです。どの家の女性も、風車でひいた小麦を持ってここに集まり、パンの種をこねていたのだとか。息子の仕事ぶりを見守っていた先代のご主人によると、「昔は出来上がったパンを売る店はなくて、うちはかまどで焼く料金をもらっていたんだ」とのこと。店内には、ずっと昔から使われてきたことがうかがえる真っ黒なかまどがしつらえてありました。
 現在は、朝と夕方の1日2回、焼きたてのパンを売っているこのお店。なじみのお客さんたちは焼きあがる時間を知っていて、時間になるとそれぞれ紙袋を持って集まってきます。あるお客さんは10km離れた街から、毎日チーズパイを買いにやってくるんだそうです。何世代にもわたって受け継がれてきた味とお店。歴史ある住宅街にしっかり根づいていました。

街の「見晴らし最高の風車」

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 住宅街で出会った奥さんに教えてもらった、ミコノスのおすすめ散歩コース。それは、ミコノスの全体を見渡せるという「ボニの風車」への道でした。海のそばに並んでいた6台の風車小屋とは違って、今度は山側に建っているらしいその風車を目指し、長い階段を上ることに。白い壁が照り返す強い日ざしの中、街の南側へ向かって階段を上ること15分。目の前に1つの風車小屋が現れました。そこに到着して海側を見渡すと、奥さんが教えてくれたとおり、真っ白な街並みが一望できる絶景が広がっていました。夕暮れ時の眺めも最高なんですって。
 風車の下には、この風車を作ったというご先祖をもつご家族が今も暮らしています。名前はもちろん「ボニ」さん。街とその先に広がる海を見ながらティータイムを楽しんでいたボニおばあちゃんが思い出話を聞かせてくれました。「祖父が建てて、父が引き継いで、兄がまた引き継いでね。昔はよく兄弟姉妹でこの風車の周りで遊んだのよ」…。ここから街を見渡しながら、白く美しい街に愛着をもって暮らしている生活、うらやましいですね。

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