これまでの街歩き

コルフ/ ギリシャ

2012年3月1日(木) 初回放送

語り:八嶋智人

撮影時期:2011年10月

街の「圧巻カフェ」

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 ギリシャ有数のカフェの街、コルフ。街のあちこちで、カフェでゆっくりくつろぐ人たちの姿が目に留まります。圧巻なのはリストン通り。大理石を敷き詰めた長さ100m以上に及ぶ通りの両側はすべてカフェなんです。
 リストン通りの歴史を教えてくれたおじいさんは、なんと12歳の頃から70年近く、このカフェに通っているんだそう。聞くところによると、子供の頃はお金がなくて、カフェでくつろぐ大人たちの様子を木陰から見ていたんだとか。この通りのカフェはみんなの憧れだったんですね。ちなみに、おじいさんは成人してから訪れたリストンのカフェで、女の子をよく口説いたそうです。「今の若者はもっと頑張らないと」なんて言うから驚いていたら、なんと、おじいさんが奥さんと出会ったのもこのリストン通りなんだとか!お二人の愛を育んだカフェ、すてきですね。
 みなさんも、コルフを訪れたらこのリストン通りのカフェでひと休みしてみては?すてきな出会いがあるかもしれませんよ。

街の「ハチミツ・バター・サンド」

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 旧市街の細い路地を奥に入っていくと、大きな黄色いかたまりを担いで歩く人を発見。ついていってみると、地元の人が集まる1軒のバター屋さんがありました。あのかたまりはバターだったんですね。
 お客さんたちが待っていたのは、この店特製のハチミツ・バター・サンド。店のご主人がパンに先ほどのバターをたっぷりぬって、そこへさらにハチミツをかけてくれるんです。これは、50年以上続くこのお店の名物だそうで、いつの時代も世代を超えて親しまれてきた変わらない味なんですって。おいしさの秘密は、店の裏にある工場で作った新鮮なバター。ご主人いわく、毎日15kgものバターを作っても、すぐに売り切れてしまうそうです。買って早速かぶりついていたおじさんたちにその味を聞くと、「これがないと生きられない!最高の朝食だ」とのこと。ただ、「うまいものは太るものばかりだ」というおじさんの言葉通り、高カロリーの1品…。食べ過ぎには注意ですね。

街の「シエスタあれこれ」

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 ヨーロッパ、特に地中海沿岸でみられる習慣、「シエスタ」。このちょっと長めのお昼休みの習慣は、コルフの街でも一般的です。午後になると多くの店が閉まり、街に静かな時間が流れます。ただ、コルフの人たちは、シエスタといってもただ家で昼寝をするだけではありません。
 カフェで人とふれあうのが好きなコルフの人たちはやっぱり街のカフェでリラックス。その過ごし方は男女で少し異なるようです。男性たちは、路地裏のカフェに集まり、なにやらお話し中。その手には、数珠のようなものが握られています。これは「コンボロイ」と呼ばれる禁煙の道具。そのビーズをくるくる回すことで、心を落ち着けるのだそうです。たばこを吸えないイライラをコンボロイで抑えようとしている男性たち。シエスタって、リラックスする時間のはずでは…?
 一方、ご主人をカフェに送り出した女性たちは、家の前にテーブルを出してコーヒーを飲みながら、にぎやかにトランプゲーム。奥さんいわく、「夫婦は長年連れ添っているから、お互いの時間が必要なのよ」とのこと。ひょんなところで、夫婦円満の秘けつを教わりました。

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