これまでの街歩き

あこがれリゾートの街を行くⅡアルベロベッロ/ イタリア

2012年4月10日(火) 初回放送

語り:ウエンツ瑛士

撮影時期:2012年2月

街の「トゥルッリを利用したお土産物屋さん」

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 トゥルッリがひしめき合う地区から大きな通りに出ると、トゥルッリをそのまま使ったお土産物屋さんがずらっと並んでいました。お土産物屋さんの屋根には、マークが描かれています。「土」という字のようなマークや三日月のようなマーク。お店の方いわく、「昔は宗教を識別するためのマークだったけど、今は装飾」とのこと。みんな、屋根までおしゃれするんですね。中に入ると人形のようなものがところ狭しと並べられていました。でもお店の方に聞いてびっくり。これ全部、笛だったんです。この笛を三回吹くと願いがかなうという、言い伝えがあるそうです。
 そしてさらにびっくりする出来事が…。ふと店の奥に目をやると「白川郷」と書かれた、ちょうちんを発見!「白川村とアルベロベッロは、姉妹都市なの。私は5回も行って、着物や浴衣をプレゼントしてもらったわ」と日本の文化のことをベタぼめしてくれました。白川郷の合掌造りとアルベロベッロのトゥルッリ、よく見るとたしかに似ているような気も。だから姉妹都市なのでしょうか。日本とアルベロベッロはつながっていたんですね。この街を親しく感じさせる出会いでした。

街の「農業高校」

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 お昼前、気になる建物を発見!3階建ての大きな建物なのに、壁がトゥルッリと同じ石でできているようなのです。建物の入り口付近で集まっていた若者たちに聞くと、農業高校だと教えてくれました。先生に聞けば、オリーブの木の剪定(せんてい)に出かけるとのこと。一緒に来ても構わないと先生が言うので、ついて行くことにしました。オリーブ畑に着くまでの間、生徒たちが「ここの店主、あだ名が『馬』だって知ってた?」「それは当たってるな」なんて会話をしていました。日本もアルベロベッロも、学生って同じような会話をするんですね。
 オリーブ畑に着くと早速、先生が熱心に指導を開始。でも、いざ生徒たちに剪定をやらせようとすると、みんな先生に背を向けてしまいました。おいおい、君たちがアルベロベッロの農業の将来を担うんじゃないの? と、ちょっと心配しましたがある生徒に話しかけてみると、「親の農場を引き継いで、大きくしたい」と語ってくれました。結構、しっかりしています。
 アルベロベッロは、昔から農業が主な産業。こうした農業高校の生徒たちが、アルベロベッロの農業を引き継いでいってくれるのでしょう。

街の「伝統ダンス教室」

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 午後2時半を過ぎたころ、静かな住宅地を歩いていると、アコーディオンの旋律が聞こえてきました。どうやら灰色の建物の窓から音がもれてきているようです。その窓を見つめていると、おじさんが声をかけてくれました。建物の中では街のダンスグループの練習をやっているのだとか。「見たい? じゃあ一緒に来て」。お言葉に甘えて、中に入れさせてもらいました。
 階段を下ると若い男女がフォークダンスのようなものを踊っています。中でも目立つのは、アコーディオンを奏でる少年。まだ7歳とのことですが、堂々と弾いています。少年に、演奏していて一番うれしいことは? と聞くと「拍手してもらえること」だと言います。なるほど。
 さて、みんなにお別れを言おうとすると見学に誘ってくれたおじさんが「民族衣装で踊るところも見たいだろ?」と提案。ノリノリの生徒さんたちは、すぐさま伝統衣装に着替えることに。とんだ大ごとになってしまいました。ただ、こんな機会は滅多にありませんからありがたく拝見することに。
 戻ってきた若者たちが身にまとっていたのは、すてきな民族衣装。男性が女性を、女性が男性を誘って2人1組で踊っています。みんな笑顔で、本当に楽しそうでした。
 このダンスグループの創立は1928年。伝統のダンスを若者たちがこんなに楽しそうに引き継いでいるのは、すばらしいことですね。

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