これまでの街歩き

プーケット/ タイ

2013年2月5日(火) 初回放送

語り:牧瀬里穂

撮影時期:2012年11月

街の「漢方薬局」

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 すっきりと晴れた青空の下、レトロな街並みを歩いていると、ひときわ古いお店を発見!店内の壁一面に小さな引き出しが並んでいます。てんびんを使って何かを量っていたお店のご主人に声を掛けると、「漢方薬の処方をしているんだよ」と教えてくれました。
 こちらは4代続く漢方薬局の老舗。90年前に中国から渡ってきたご先祖様が、このお店を始めたのだとか。店内の至る所に漢方薬が保管されていて、種類はなんと1000以上!その数に驚いていると、ご主人は渋い顔をして「この仕事は嫌いだ」とぼやきます。理由を聞いてみると、「薬をいちいち量らなきゃいけないんだぞ。レシピによっては、50種類も調合するんだ」と苦笑い。神経をつかう大変なお仕事なんですね。
 街に医師がいなかった時代は、薬屋さんが人々の健康を支えていたのだとか。きっと、みんなから信頼され、愛されながら続いてきた歴史のあるお店に違いありません。

街の「鳥の鳴き声大会」

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 旧市街からはずれた大通りを歩いていると、目の前を数台のバイクが通り過ぎました。みんな、赤や青の布を掛けたカゴのようなものを下げています。気になって追いかけてみると、ひらけた広場に何やら人だかりが!豪勢な鳥カゴが何列も並べられ、男性たちがカゴに向かって大声で叫んでいます。「鳴け!鳴けー!」と、ものすごい熱気。カゴからは鳥の鳴き声が。隣にいたおじさんが「鳥の鳴き声の試合だよ」と教えてくれました。鳥が鳴く回数を競う試合なんだそうです。優勝すると高額な賞金をゲットできるのだとか。だからこんなに、熱くなっているんですね。
 飼い主たちは、鳥をどうにか鳴かせようと必死です。鳥は「紅羅雲(こうらうん)」というヒヨドリの仲間で、ピンと立ったトサカのような羽と美しい鳴き声が特徴。1羽で数万円もするのだとか!よく鳴き、よく稼ぐ紅羅雲を育てるのが、プーケット男のステータスなのです。それにしても、真剣に「鳴け!鳴け!」と叫ぶ男性たちの姿は、まるで少年のようですね。

街の「おみくじ」

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 夕暮れが迫るころ、中国式寺院“プッジョー寺院”を訪れました。門をくぐって境内に入ると、奥の建物からジャラジャラと音が聞こえてきます。中では、参拝客がおみくじを振っていました。係の男性に聞くと、ここに祭られている観音様は病気平癒や子宝祈願、安産祈願にご利益があり、お参りの時におみくじを引いて啓示を受けます。観音様への信仰は絶大で、病気の時は漢方薬の処方もおみくじで決めるのだそうです。さらに、なんと子どもの名前まで、おみくじで決める風習があるんだとか!
 小さな赤ちゃんを抱いたお母さんとその家族がやってきました。名前を授かりに来たのでしょうか?お母さんは「そうですよ」と、うれしそう。観音様から授かる名前は中国名で、赤ちゃんが生後1か月になったら、ここにおみくじを引きにくる習わしなんだそう。この赤ちゃんの名前は「明通(ビントン)」に決まりました。「すべて順調にいく」という意味です。お母さんは「良い名前になりました」と、決まったばかりの名前を何度も呼び掛けていました。

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