これまでの街歩き

トレド/ スペイン

2005年9月27日(火) 初回放送

語り:清水ミチコ

撮影時期:2005年7月

世界地図

地図

場所

スペイン、ラ・マンチャ地方の都市トレド。現在の人口はおよそ約7万5千。
8世紀からおよそ400年間、イスラム教徒が繁栄を誇りますが、その社会では、キリスト教徒、ユダヤ教徒などが共存し、科学や芸術のあらゆる分野で宗教や民族を超えた交流が行なわれていました。
16世紀に皇帝カルロス5世がトレドをスペインの首都とすると、トレドは黄金時代を迎えます。しかしその後、首都がマドリッドにうつされ、トレドは衰退していきました。
現在のトレドは、街全体が世界遺産に認定されていることもあり、「スペインに一日しかいられないときは、迷わずトレドに行け」といわれるほど、ヨーロッパ有数の歴史的都市の一つと言われています。巨匠エル・グレコが創作活動に励んだ地としても知られています。

Information

地下遺跡ツアー

2000年以上の歴史を誇るトレド。いたるところに遺跡があります。
その中でも12世紀頃に作られた、地下にある貯水池は面白い仕掛けになっていま
す。
地下の天井部分に穴が開いていて、そこに水路がついています。そして水路の下に
は井戸が…。これは雨水を、水路を使って井戸に溜めるものなのです。井戸には、
今も少しだけ水が残っていました。
他にも紀元前1世紀頃、ローマ帝国時代に作られた上水道が残っています。
こうした地下遺跡を回るツアーがあり、日曜日を除いて毎日行われています。
(トレドに行かれる方は、現地の最新情報にご注意ください)

修復学校

トレドには、修復工房学校という専門学校があります。1986年にトレド市が中心となって創設した学校で、修業期間は2年、16歳~24歳までの人が通うことができます。最初の6ヶ月は奨学金が支給され、学校内で基本的なことを学び、残りの18ヶ月は実際に街に出て、見習い工としてプロがもらう最低賃金の75%をもらって働きます。石とレンガ、木工、鍛冶など、7つの専門コースに分かれています。生徒たちはお金をもらうことで責任感が芽生え、市は歴史的建造物を修理する次代の担い手を育てられる。まさに一石二鳥。歴史の街・トレドならではの制度です。

マサパン

トレドの名物で忘れてはならないのが「マサパン」。
街を歩くと、よく目にするトレドの伝統的な焼き菓子です。
もともとはイスラムのもので、トレドがイスラム教徒の支配下にあった頃に伝わったとされています。生地の主な材料は、アーモンド、砂糖、蜂蜜。中に包むものはさまざまですが、カボチャの毛の部分を砂糖で甘く煮込んだものなどを餡(あん)として入れることが多いのです。カロリーが高いので、病人のお見舞いに持っていくお菓子として人気だということ。かつては修道院でマサパンを貧しい人や行き倒れの人に分け与えていたそうです。

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