これまでの街歩き

マカオ/ 中国

2007年3月6日(火) 初回放送

語り:浅野和之

撮影時期:2006年12月

世界地図

地図

場所

香港から高速船で約1時間。中国の珠海市に接し、大陸南海岸に突き出たマカオ半島と沖合いの二つの島(タイパ島とコロネア島)からなるのが中国の特別行政区マカオです。ポルトガル人が初めてこの地に渡来し、明との交易を始めたのは16世紀初頭。その後はポルトガル人居留地となり、貿易とキリスト教布教の拠点として繁栄をきわめました。1999年に中国へ返還されるまでポルトガルの統治が続いたため、当時の遺構が今なお数多く残ります。2005年にはマカオの8つの広場と22の建造物が世界遺産に登録されました。
現在は「東洋のラスベガス」の名の通りカジノと観光の街として、世界中から観光客が訪れています。

Information

カジノ学校

税金の75パーセントをカジノ業界が納めているマカオ。ここではディーラーはひっぱりだこの花形職業です。「マカオ観光・カジノ技術訓練センター」では完璧なディーラーの育成を目指し、バカラとブラックジャックにはじまり国語、英語、コンピューターに接客、さらにイカサマを見逃さないため監視カメラの見方まで教えています。ディーラー向きでないという人には、キャッシャーの仕事の授業を。チップの交換やお金の取り扱いをマスターすれば、就職の機会はたくさんあります。

質屋博物館

マカオとカジノが切っても切れないように、カジノと切っても切れないのが質屋。質屋博物館は百年近く前に実際に使われていた本物の質屋で、その堅牢ぶりが見て取れます。例えばお店と倉庫の間には数十センチの隙間がわざと設けられています。これは火事が起きても倉庫に延焼しないためです。また、壊して中に入ることができないよう、壁は花崗岩、さらにその間には鉄板が埋め込まれています。質屋は絶対に安全な場所だということで、昔は子どもが生まれるとここに連れてくる風習がありました。無事に育つように、という願いがこめられていたんでしょうね。

アフリカンチキン

マカオの名物料理、アフリカンチキン。様々なスパイスにココナッツミルクを加えて作るこの料理には、実は長い歴史があります。
時は15世紀、大航海時代。ポルトガルのバスコ・ダ・ガマは、喜望峰をへてアフリカのモザンビークにたどり着きます。彼がこの地で食べた辛い鶏のグリルが「アフリカンチキン」の原型です。16世紀、ポルトガルはインドのゴアに拠点を築きます。カレーの国インドで船乗りたちはアフリカ仕込みの鶏料理に様々なスパイスを付け加えました。さらにポルトガルはマラッカ王国を征服。今度は特産のココナッツが採り入れられます。やがてポルトガルは明からマカオの居留権を獲得。中国伝統のバーベキュー技術が、船乗りたちの料理に洗練を加え、ついに現在のアフリカンチキンが完成したというわけです。

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