これまでの街歩き

シドニー/ オーストラリア

2007年6月26日(火) 初回放送

語り:松田洋治

撮影時期:2007年3月

世界地図

地図

場所

オーストラリア最大の都市、そして一番古くに開拓された街、シドニー。
ニューサウスウェールズ州の州都であり、オセアニアの経済と文化の中心です。人口は420万、街は高層ビルが建ち並びます。入り江には、世界的に有名なシドニーのシンボル「オペラハウス」と「ハーバーブリッジ」があり、その周りを通勤の船が行き交います。シドニーは、こうした景観が見事な調和を見せる美しい街です。
街の西側の突き出た岬には、古い砂岩作りの建物群が広がっています。ここが、シドニー開拓期の面影を残すロックス地区。
当時の街並みを残しつつ、建物の内部は改装して、おしゃれなブティックや飲食店が軒を連ねています。高層ビル街のモダンな雰囲気、そのすぐそばのオーストラリアの開拓史を今に伝えるロックス。
シドニーは、そんな2つの魅力を存分に味わえる街です。
そうそう、オーストラリアは年間を通して日差しが強いので、街歩きには帽子や日傘、水分補給を忘れずに!

Information

オーストラリア発祥の地

1788年、イギリスから最初の移民船が、現在のシドニー湾に到着。
そのほとんどは、本国の刑務所に入りきらなかったイギリスの囚人たちでした。当時のロックスは、その名の由来でもあるように、ごつごつした岩だらけの岬でした。そんな場所を、オーストラリア初の入植地として選んだのですから、大変です。今も街に残る「アーガイル・カット」という全長130メートルの切通しは、囚人たちがハンマーとノミだけで貫通させたもの。立ちはだかる巨大な岩盤を、21年かけて砕き切りました。
また、街には彼らが岩石を砕いて作った建築物が多くあります。その壁をよく見ると、つなぎ目に貝殻が練りこまれているのが分かります。これは、なかなか手に入らないセメントの代わりに、貝殻を使った結果。ロックスを訪れたら、街のあちこちにある囚人たちの痕跡を見つけてみてくださいね。

ブリッジ・クライム

シドニーといえば、ハーバーブリッジを思い浮かべる人も多いですよね。
1932年に開通し、シングルアーチの橋としては世界第2位の長さを誇ります。青空の下、その美しいアーチに見とれていたら、登りたくなってしまったのがオーストラリア人。そう、世界でも珍しい「ブリッジ・クライム」です。頂上まで1439段、眼下に海を眺めながら点検用の階段を登っていくという、スリル満点の体験!
1998年からスタートしたこのツアー、今ではシドニーの観光には欠かせない大人気のアトラクションなんです。オーストラリアの国旗が翻る頂上で、絶景をバックに記念撮影なんていかがですか?

泊まれない?“ホテル”

ロックスを歩いていてやたらに目に入る「ホテル」の看板。
なぜか、そのほとんどが宿泊できません。実は、○○ホテルという名のパブなんです!まだオーストラリアがイギリスの植民地だった19世紀初頭、街の風紀を守るために、「パブは18時までしか営業してはいけない」という、イギリス本国からのお達しがありました。
でも、酒は飲みたい!
そこで、パブのオーナーたちは一つの法律に着目しました。それが「ホテルの場合、宿泊客の飲食は何時まででも自由」という法律。それぞれのパブは、看板や簡易ベットなど、形ばかりの体裁を整え、ホテルにしちゃったというわけ。以来、ロックスのパブには「ホテル」の看板が掛かっているのでした。

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