これまでの街歩き

重慶 磁器口(じきこう)/ 中国

2008年2月12日(火) 初回放送

語り:工藤夕貴

撮影時期:2007年12月

世界地図

地図

場所

重慶市は、中国最大の直轄市です。人口は約3150万、面積は約83000平方キロ。長江とその支流の嘉陵江(かりょうこう)との合流点を中心に発展し、山々に囲まれていることから、「山城(山の城)」とも呼ばれています。川下りやダムでも有名な三峡は重慶に属しています。
古鎮「磁器口(じきこう)」は重慶市の中心から西へ14キロ、嘉陵江のほとりにあります。名前の由来は、昔、茶碗などをこの土地で盛んに作っていたため。清の時代には、その積み出し港として、船乗りや商人たちが集まってきました。石段と石畳で迷路のような今の街並みは、当時港町として栄えたころの面影が色濃く残されています。1998年、磁器口の古い町並みが重慶市の重要文化財に指定されました。今では小重慶と呼ばれるようになり、観光地としてにぎわいをみせています。
重慶の年間観光客は、海外約430万人、国内約3500万人(2006年)。と多くの観光客を集めています。

Information

磁器口(じきこう)の歴史

磁器口の地名の由来となったのが磁器です。昔、茶碗などをこの土地で盛んに作っていました。清の時代には年間75万個も生産されていました。ここの積出港から長江を下って中国全土に運ばれました。磁器を積み出す港だから磁器の口、磁器口と呼ばれるようになったです。
1930年代には、国民党の政府が一時ここ重慶に置かれました。この辺りには工場や学校、劇場などが次々つくられ、商業や文化の中心地になったのです。その後、陸上交通が発達し、磁器口は港町としての役割を終えていきました。町は次第に忘れ去られていきました。しかし、昔からの住民は清の時代からの街並みをそのまま大切に守ってきました。そのお陰で1998年、重要文化財に指定されたのです。今ではここ磁器口は小重慶と呼ばれています。

変面

四川の地方劇、川劇(せんげき)は芝居だけでなく軽業や音楽など様々な出し物を行うエンターテインメントです。その川劇の中で最も人気がある出し物が変面です。
1000年以上前、農村で収穫祈願や家内安全を願う祭りとして紙の面をつけて踊っていたのが始まりです。変面ができる役者は全中国でおよそ100人、ほとんどが重慶や四川省出身の役者です。変面の技は修業を積むにつれ、面を変える回数を増やすことができます。なんと25秒のあいだに14回変化させることができる達人もいます。
どうやって面を変えるのかは昔から一切秘密。伝統芸能を保護するため、法律でも守られています。

火鍋

重慶と言えば激辛の火鍋です。火鍋はそもそもここ磁器口の港に来ていた船乗りが始めた料理といわれています。
貧しい船乗りたちが捨てられていた牛や豚の内臓などを拾い集め、鍋に入れ塩や山椒で味付けして食べていたのが始まり。その後いろいろ改良され今の重慶独特の火鍋になりました。特徴は激辛のスープ。唐辛子、山椒、生姜、ねぎ、ラー油、ニンニクなど材料は20種類以上、更に重慶のお白酒なども入れ煮込みます。
中に入れる食材は、牛の胃袋や牛の喉、アヒルの腸、鶏の胃袋、野菜など様々です。火鍋はリウマチや風邪にも良いと言われています。また、ビタミンなどが多く含まれダイエットやアンチエイジングにもピッタリと言われています。

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